仏の超名門病院が代替医療を導入

2017年7月28日『フィガロ』
「非伝統的ケア(=代替医療)に病院はオープンになった」
Les hôpitaux s’ouvrent aux soins non conventionnels

フランス語や英語の「伝統医学」は西洋医学のことです。
鍼は、西洋では「非伝統的ケア」になります。

以下、引用。

刺激による鎮痛、最初に1976年にパリのテノン病院で鍼の診察が行われた時は野蛮と表現された。

1972年にフランス救急医療の父で麻酔科医のピエール・ウグネル教授は、セルジュ・ラファル(テノン病院の代替医療専門の医師)に鍼麻酔の起源について語った。ピエール・ウグネルは中国旅行での鍼による麻酔外科手術について振り返った。

それ以来、病院では伝統的でない医療(代替医療)がおこなわれている。
サンアンヌ病院センターではうつ病の治療にマインドフルネス瞑想が行われている。
アルマンド・トルソー病院では子どもの片頭痛に催眠が使われている。
ストラスブール大学病院では出産の痛みに鍼が用いられている。
ギュスターブ・ロシイがん研究所では耳鍼が痛みと吐き気に用いられている。

サンアンヌ病院センターは1651年に創設され、ナポレオン三世が精神病院をつくり、精神科医ジャック・ラカンがセミナールを開いた病院です。

アルマンド・トルソー病院は1674年に創設された子ども病院です。

ストラスブール大学病院に至っては7世紀に創設されたという伝説があり、中世の1143年には確実に存在していた病院です。850年以上の歴史があります。
フランスの助産師の多くはストラスブール大学で鍼灸助産師の資格をとります。

ヨーロッパがんセンターが入っているギュスターブ・ロシイがん研究所は創設1930年なので、いちばん若手の病院になります。
現在のフランスの鍼の研究の中心の一つです。

統合中国医学センターが入ったサルペトリエール病院は、神経科医シャルコーや精神科医フロイトが精神医学を創った病院で、1656年創設です。

これらの西洋医学・フランス医学の歴史そのものといえる数百年の歴史をもつ病院群が、鍼や催眠や瞑想をとりいれているのが今のヨーロッパの現実です。

ドイツのコッホや北里柴三郎が働いたシャリテ大学病院が鍼の研究をしていると知ったときも驚愕しましたが、今回のフランスの調査はもっと驚きました。

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