749局と銭学森氏と気功の秘密の歴史

「銭学森がかつて特異効能(超常現象)研究に秘密参加した組織が陽光にさらされる」
钱学森曾秘密参与研究特异功能的组织曝光

「中国ロケットの父」銭学森が1974年に中国共産党によって創設された秘密組織「749局」や人体科学研究の「507所」と関係していたとする動画です。

気功を研究していたら銭学森の名前は必ず出てきます。

1934年に北京・清華大学からアメリカのマサチューセッツ工科大学に留学した銭学森氏はカルフォルニア工科大学で博士号を取得し、1944年にアメリカ国防総省の顧問に就任し、原爆開発のマンハッタン計画に参加し、核開発・ロケット開発を行います。アメリカ軍の最高機密にアクセスできる立場でした。

ところが1949年に毛沢東の共産中国が成立し、1950年にアメリカ政府の赤狩りが始まると逮捕され、1955年に中国に強制送還されます。アメリカという国家に忠誠を誓っていた銭学森はこの裏切りに激怒して共産主義者となり、アメリカへの復讐を誓いました。

当時、科学的に遅れていた中国で強制送還から11年後の1966年には核ミサイルとシルクワームミサイルを開発し、毛沢東の親友となり、国家英雄となり、2012年には映画化されています。

銭学森はアメリカの核開発マンハッタン計画に参加すると同時に中国の核開発とミサイル開発に関わるだけでなく、1974年に中国共産党によって創設された超常現象研究の秘密組織「749局」や 人体科学研究の「507所」の特別顧問でもありました。

1979年3月11日、『四川日報』が耳で字を読める少年、唐雨くんを報道します。この唐雨くんを調べたのは天安門事件の趙紫陽書記です。

ここから20年ほど、中国では人体科学といって人体特異効能の研究が盛り上がりました。

1980年2月、銭学森は上海で第1回人体特異効能検討会を開きます。この政治的動きはCIAを驚愕させ気功の徹底調査に着手します。

1948年、劉貴珍が河北省で中国共産党幹部を気功で治療して信頼を得、毛沢東から先進的労働者とされました。
1957年に出版した『気功療法実践』は200万部を越す大ベストセラーとなり、日本でも翻訳されました。ここで「気功」という言葉ができました。

1958年から毛沢東は大躍進政策をとり、1961年には全国86の気功施設ができました。ところが、1962年には大躍進政策の失敗が露呈し、劉貴珍先生は再教育収容所に送られ、公衆便所の清掃係にされました。

CIAの気功分析によれば、1962年から1979年まで17年間も気功は中国から完全に消えた存在でしたが、銭学森の政治的意向で復活したということです。しかし、749局の話が本当なら、1974年には既に復活していたと思われます。

芸術家の郭林が1949年に40歳で子宮癌となり、1959年に50歳で膀胱に転移し、郭林新気功を開発して周りに普及しだしたのが1970年代です。
1980年から郭林は多くの気功の本を出版しています。

日本では、津村喬や星野稔が「東洋体育」として気功を研究し、1993年にはNHK気功講座がはじまります。

【日本の気功の歴史】1979-1999

1979年:津村喬『しなやかな心とからだ 東洋体育道入門』野草社
1981年:星野稔、導引研究会設立。
1981年:津村喬、神戸太極拳同好会創設に参加
1982年:星野稔、北京体育学院留学。同院、人民大学で気功を学ぶ。
1984年:『図説気功法―決定版』 津村喬、星野 稔 柏樹社 (1984/04)
1985年:星野稔、焦国瑞と出会う。
1990年:『気功学の未来へ―焦国瑞対談集』 焦 国瑞 (著), 間中 喜雄 (著), 湯浅 泰雄 (著), 池見 酉次郎 (著), 星野 稔 (著),
1991年:人体科学会設立。『人体科学』
1993年:津村喬『NHK気功専科Ⅱ』日本放送出版協会
1993年:津村喬『東洋体育の本』
1993年: 町好雄 『「気」を科学する』 東京電機大学出版局 (1993/5/1)
1995年:国際生命情報科学会創設。『国際生命情報科学会誌』
1995年3月:オウム真理教、地下鉄サリン事件
1996年:『超心理学研究』発刊。
1999年:中国で法輪功事件
→2004年:中国・体育総局は「健身気功」を発表し、実質的に中国では気功は禁止される。

1979年から中国では変化が起こり、1999年10月に中国では法輪功事件がおこり、中国で気功が実質的に禁止されるまでの20年間の政治的流れは以下の論文が詳しいです。

2000年「中国における気功活動の展開と法輪功事件」
浜 勝彦 『創大中国論集』 3, 1-57, 2000-03

中国で気功は1949年から1962年までの13年間は共産中国で共産党幹部たちに保護され、1962年から1978年までの16年間は社会から完全に消滅し、1978年から1999年までの21年間は銭学森の影響から気功ブームとなり、1999年から2018年までの19年間は法輪功事件により、中国共産党・国家体育総局の認める四大気功、五禽戯、易筋経、六字訣、八段錦 の健身気功以外は認めないという形になっています。

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