健康はお皿の上にある

2015年1月30日『フィガロ』
「(フランス料理の皇帝)ジョエル・ロブションと女鍼師ナディア・ヴォルフにとって、健康はお皿の上にある」
Pour Joël Robuchon et Nadia Volf, la santé est dans l’assiette

2018年8月6日にフランス料理の皇帝、ジョエル・ロブションが亡くなりました。ファッション界の皇帝、カール・ラガールフェルドの主治医であり、天才女鍼師と呼ばれるナディア・ヴォルフは故ジョエル・ロブションと2014年に共著まで出しています。

「食と命」
Food & Life Le goût et la vie
Joel Robuchon, Nadia Volf
Assouline (20 novembre 2014)

2013年、ロブションは頭痛と高血圧、高脂血症に悩まされていた時に女鍼師、ヴォルフと出会います。ヴォルフと知り合って4カ月で20キロ減量し、最終的に27.2キロの減量に成功しました。2人は『食と命』を出版し、ヴェジタリアン・メニューまで考案しました(※1)。

パリ在住で60歳のヴォルフは旧ソ連のレニングラード医科大学出身です。ブレジネフ政権時代のソ連に生まれ、8歳でバレエの世界最高峰、ワガノワ・アカデミーに入りますが肝炎で辞めます。次にチェスの世界で13歳でレニングラードのジュニア・チャンピオンとなりますが、挫折しました。14歳で鍼と出会い、25歳でソ連の医大で最年少の神経薬理学の准教授となりました。しかし、KGBに睨まれたため、1990年に夫と息子と一緒に息子を洋服タンスに隠してフランスに亡命しました。

現在、ヴォルフはパリ第11大学で「科学的鍼」の教授をしている耳鍼の専門家です。旧ソ連で教育を受けた現代フランスの鍼の専門家というのは異色の存在だと思います。

※1:2017年10月31日『ニューヨークポスト』
「世界一有名なセレブ・シェフは、どのようにして60ポンドを減量したのか?」
How the world’s most celebrated chef lost 60 pounds

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする