肩こりとけんびき

『「臨床方言学」の確立に向けて』
友定賢治
『人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌』 14(1), 37-49, 2014-03

以下、引用。

当地方で体調の悪い時に「けんびき」と いう語で「自己診断」することも多い。この語は身体の特定部位の痛みでなく、頭が痛くても肩が痛くても、体調が悪くてどこかが痛む際に用いられる。村岡には「当地方 ( 筆者注 : 広島県 ) にけいれん一般をけんびきと通称する」とある。

また、広戸・矢富 には「(1) 肩のこりの時,背筋を引くこと。(2) 疲れによってでる病気」とある。(1) は分かりにくいが,(2) からは総称的な語であることがわかる。さらに、森には「労働後の肩・頸・上腕の筋肉痛」ともある。このように各地でいろいろに使用されているということは使用頻度も高いということでもある。

中国地方出身の本学学生に「はしる」「にがる」「けんびき」を知っているかどうか尋ねると知らない学生が圧倒的に多い。

香川県の方言「けんびき」は「疲れからの肩こりや風邪、口内炎」を意味するそうです。
いわゆる風邪の肩で、葛根湯タイプです。

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