五の気

任応秋著、『運気学説』
运气学说

1959年に書かれて、1960年に上海科学技術出版社から出版されています。
任応秋先生こそが弁証論治を創った人物です。任応秋先生は1959年から北京中医学院で次々と学術的著作を著したのですが、ちょうどその時期は1966年からの文化大革命で、「反動学術権威」の帽子をかぶせられ、紅衛兵には24匹の牛鬼蛇神のトップとして批判されたと北京中医薬大学のホームページに書かれています・・・。

この時代の本を読むと、1950年代から1960年代の任応秋先生や陸痩燕先生の中医学は、運気論や子午流注などかなりハードな中国伝統医学です。文化大革命で紅衛兵に「反動」の帽子をかぶせられたり、拷問されるレベルです。

五運六気で2018年は十干は戊で火運太過、十二支は戌で太陽寒水司天、太陰湿土在泉です。

現在、秋分・寒露・霜降・立冬・小雪までは五の気となります。

(戊戌の歳の)五之気では、秋分の初寅(10月1日)から、小雪の初子(‪11月28日‬)の約60日であり、太商で主気は五行の金に応じて、客気は少陰君火で、中見は火運である。主気と客気が同じで、気化を司らず、時令がここに至り、陽は復化し、草はすなわち長じ変化して成る、民はすなわちのびやかである。少陰の客気を調整するのが宜しい。鹹味でこれを補い、甘味でこれを瀉し、酸味でこれを収する。

今年の秋は桜が開花したり、暖かかったので「当たり」だと思います。「陽は復化し、草はすなわち長じ変化して成る」です。

‪11月28日からは、五運六気の‬終の気となります。戊戌の終の気の主気は太陽寒水(寒気)で、客気は太陰湿土(湿気)となります。

以下、引用。

(戊戌の歳の)終之気では、小雪の初子(‪11月28日‬)から、大寒の初戌(‪1月21日‬)の約60日であり、主気は少羽の水に応じて、客気は太陰湿土であり、中見は火運であり、地気は正しく、湿気が命令をめぐらせ、陰が凝滞して、ホコリは郊野でくらく、民はすなわちガタガタとふるえ、寒風がいたり、反するものはすなわち死産します。太陰の客気である湿気を治療するのが宜しい。甘味で補い、苦味で瀉し、甘味でこれを緩めます。

2019年は己亥(つちのと・い)の歳です。己、亥の干支となります。己は足太陰脾経、亥は手少陽三焦経となります。これは間違いなく胃腸病の年になりそうです。

五運六気学説では土運不及で、厥陰風木司天、少陽相火在泉となります。

初の気:主気は「厥陰風木」で、客気は「陽明燥金」
二の気:主気は「少陰君火」で、客気は「太陽寒水」
三の気:主気は「少陽相火」で、客気は「厥陰風木」
四の気:主気は「太陰湿土」で、客気は「少陰君火」
五の気:主気は「陽明燥金」で、客気は「太陰湿土」
終の気:主気は「太陽寒水」で、客気は「少陽相火」

土運不及はイコール木運太過なので、木運太過と厥陰風木が重なります。木克土の年となります。风化三,湿化五,火化七なので風湿熱です。

己亥の初の気です。

初の気は戌年の大寒の亥の日(‪1月26日‬)にはじまり、春分の初酉(‪3月25日‬)に終わる約60日であり、少角木に応じ、客気は陽明燥金であり、中見は土運で、土は金を生じ、清化がめぐり、寒は粛しはじめ、殺気が至り、民は寒を右の下に病む。陽明の客気を治療するが宜しい。酸味で補い、辛味で瀉し、苦味で泄する。歳穀は青であり、間穀は黍であり、燥邪を制すれば害することはできない。

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