マッサージ業・接骨院等の倒産、過去10年で最多

2019年1月15日『東京商工リサーチ』
『 2018年「マッサージ業、接骨院等」の倒産状況は過去10年で最多93件に急増、5年連続で前年を上回る』

以下、引用。

【2018年の倒産93件、過去10年で最多】
2018年(1-12月)の「マッサージ業、接骨院等」の倒産は93件(前年比36.7%増、前年68件)と前年より大幅に増加した。2009年以降の10年間では最多となり、5年連続で前年を上回った。

【施術所数、10年で26.1%増】
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、マッサージ業他の施術所(あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうを行う施術所と柔道整復の施術所などを含む)は、2006年に10万8,139か所だったが、2016年は13万6,460か所に増加。この10年間で2万8,321か所(26.1%増)増えた。

就業状況では、就業あん摩マッサージ指圧師が2006年の10万1,038人から、2016年は11万6,280人(15.0%増)に増加。このほか、就業はり師が42.5%増(8万1,361→11万6,007人)、就業きゅう師が42.6%増(7万9,932→11万4,048人)、就業柔道整復師が76.0%増(3万8,693→6万8,120人)と、いずれも大幅に増えている。

関係者からは、柔道整復師はかつては養成校卒業後、5~10年ほど実務勤務した後、独立開業することが一般的だったが、最近は卒業生の約2割が資格を取得直後、すぐに開業し、「十分な知識や経験がないまま不正行為に手を染めるケースもある」との指摘もあり、業者間の過当競争が沈静化する気配はうかがえない。

就業柔道整復師の76.0%増(3万8,693→6万8,120人) が目立ちます。

ただ、日本の鍼灸マ・代替医療業界の経済統計はどれが正しいのかという疑問があります。

「鍼灸按摩事業所の営業件数と市場規模に関する調査」
藤井 亮輔  『全日本鍼灸学会雑誌』 Vol. 60 (2010) No. 5 P 792-801

ここでは市場規模を3,250億円と推計しています。

「鍼灸療法の受療率に関する調査研究 : 鍼灸の単独療法と按摩・マッサージ・指圧を含む複合療法(三療)との比較」
藤井亮輔、矢野忠『明治国際医療大学誌』8号:1-12 2013

2002年度の受療率9.4%に対して、2012年度の受療率は7.4%でした。誤差の範囲ですが下がっています。

中村直行「わが国の代替医療の現状とその市場規模」
『社会科学論集』 (124), 69-91, 2008-03

ここでは、
1位健康食品:5400億円
2位温泉療法:4120億円
3位運動療法:3000億円(フィットネス)
4位鍼灸マッサージ:1980億円
5位カイロプラクティック:1822億円
となっています。
しかし、計算方法が不明や、3250億円と1,980億円では全然違います。

「成長に伴い業界の確立が求められるリラクゼーションビジネス : リラクゼーションビジネスの現状と課題」
公益財団法人 地方経済総合研究所
Kumamoto地方経済情報 (29), 12-17, 2014-08

2014年8月の上記レポートでは、リラクゼーションビジネスの市場規模が書かれています。
(1)ボディケア:510億円(2012年矢野経済研究所)
(2)エステティック:3,491億円
(3)アロマテラピー:2,654億円
(4)リフレクソロジー:512億円
(5)スパ:7,088億円
(6)ヨガ:210億円

矢野経済研究所が出したリラクゼーション全体の市場規模は2014年で1,100億円でした。

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