ダニエル・ゴールドマンとチベット瞑想

2018年9月13日
「スーパーヒューマンズ:高いレベルの瞑想者の驚愕すべき脳波」
Superhumans: The remarkable brain waves of high-level meditators

チベットの高僧、ミンギュル・リンポチェさんの瞑想中の脳波をはかり、fMRIで計測したところ、従来の神経科学・脳科学では全く説明できないような現象が観察されました。

通常人では非常に短い時間だけ出現するガンマ波が通常人の800倍以上も継続的に計測できました。ガンマ波は何カ月も悩み続けた問題に答えを得た際に0.5秒程度の一瞬だけ出現します。「結びつけ問題の解決」といわれる脳波が常に継続的に出ているのです。これは悟りといわれる状態を世界で最初に観察した例ではないかと言われています。

しかも、報告したのがEQ有名なダニエル・ゴールドマンさんと名門ウィスコンシン大学マディソン校なので、世界中が驚愕しました。

ダニエル・ゴールドマンさんはハーバード大学の博士課程の際にインドを放浪し、ラム・ダスやニーム・カオリ・ババに学びました。

ラム・ダスは『Be here now!』を書いたヒッピーの教祖で、もともとはリチャード・アルパートというアメリカ人学者でした。ヒッピーの導師と呼ばれる心理学者、ティモシー・リアリーとラム・ダスは瞑想や幻覚剤などの意識拡張実験を行い、『チベット死者の書』を研究し、カウンターカルチャー運動を起こしました。

現在、世界で流行中のマインドフルネス・ストレス低減法は、マサチューセッツ大学医学部教授、ジョン・カバット・ジンが開発しました。

もともと1960年代にベトナム反戦運動で知られたベトナム禅僧ティク・ナット・ハンが仏教の教えからマインドフルネス瞑想を始めました。ジョン・カバット・ジンは分子生物学を学びながら1966年からティク・ナット・ハンの教えを受け、ウィパッサナー瞑想を行い、マサチューセッツ大学医学部教授となるとマインドフルネス・ストレス低減法とマインドフルネス瞑想を病院で実践し始めました。

プラセボ研究の世界的権威であるテッド・カプチュク先生は1946年に生まれ、1968年に文系の東アジア研究でコロンビア大学を22歳で卒業後、中国に渡り、29歳でマカオ中医学院を卒業しました。

1976年にアメリカに帰り、ハーバード大学の近くに鍼灸院を開業し、鍼灸の臨床をしているうちに疑問をもって研究を始め、1998年にはハーバード大学准教授となり、2013年にハーバード大学医学部の正教授となりました。1999年から2010年までNCCAM(アメリカ国立補完代替医療センター)のメンバーで、2001年から2005年はFDA(アメリカ食品医薬品局)のエクスパート・パネリストでした。

テッド・カプチュク先生はハーバード大学医学大学院で唯一、修士号も博士号も医師免許も持たない正教授だそうです。学歴が全くなくても鍼灸師資格と実力だけでトップ研究者になりました。現在、世界の代替医療はこういったカウンターカルチャーの中から出てきた人たちによってリードされていることは、あまり知られていないと思います。

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