譚源生「中華民国時代の鍼灸学の変化」

譚源生先生の修士論文、「中華民国時代の鍼灸学の変化(民国时期针灸学之演变)2006年」は中医学鍼灸を学ぶ人にとって必読文献だと思います。

まず、明治維新以降の日本鍼灸の科学的研究が中華民国に大きな影響をもたらしたことが論じられます。羅兆据先生による「穴性理論」が生まれ、日本鍼灸の影響による西洋医学的な神経学説の観点から得気、気至の概念が中華民国から変化しだしたことを指摘しています。

この論文を読むと、中医学鍼灸の形成に最大の影響を与えたのは明治維新以降の日本鍼灸であることが判明します!

2008年12月『中医臨床』(115号Vol.29-No.4)では、譚源生先生の「針灸の弁証論治形成の謎を解く」が掲載されました。針灸の弁証論治体の基礎である「穴性」が1930年代の承淡安学派の羅兆据先生によって作られたという内容です。以下でそのインタビューを読むことができます。

針灸の弁証論治形成の謎を解く
『中医臨床』 29(4): 608-613, 2008

2009年には譚源生先生の「針灸の弁証論治形成の謎を解く」の前中後編が『中医臨床』に掲載されました。

「針灸の弁証論治形成の謎を解く(前)民国時代の針灸学」
譚源生
『中医臨床』 29(4): 614-618, 2008.

「針灸の弁証論治形成の謎を解く(中)穴性理論の誕生から針灸処方学へ」
譚源生
『中医臨床』 30(1): 126-133, 2009.

「針灸の弁証論治形成の謎を解く(後)針灸治療は病位に, 中薬治療は病性にもとづく」
譚源生
『中医臨床』 30(2): 286-292, 2009.

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