中医学はアフリカでもりあがっている

2018年11月8日イギリスの経済週刊誌『エコノミスト』
「中医学はアフリカでもりあがっている」
Chinese medicine is on the rise in Africa

以下、引用。

「革命だよ!」と3年前に中医学ショップで働き始めたアリオ・ンディアエは言う。セネガルの首都ダカールでは4つの支店ができている。セネガルの首都は何件もの店とプラクティショナーがいる。「多くの人々は興味はあるけど、まだ懐疑的だね」とタクシードライバーのイブラヒムは言うが、彼の母親はお茶で脚痛の治療をした。

セネガルで起こっていることは、アフリカ全土で始まっている中医学ヘルスセンターの大きなトレンドの一部である。ケニアのナイロビ、タンザニアのダルエスサラーム、ウガンダ、コートジボワールやコンゴで中医学ヘルスケアセンターは開かれている。

アフリカにおける中国のソフトパワーの広がりのもとで、2,000年に中国は最初の中国アフリカフォーラムを3年ごとに開き、伝統医学を議題にしてきた。2年後には北京で討論が行われ、アフリカの48の孔子学院で伝統医学コースが教えられている。

針灸の科学的研究を調査した際に「欧米で初めて紹介された胃酸分泌に関する鍼治療の論文は、1979年に報告されたラゴス(ナイジェリア)のソディポによるものと考えられている」(野口栄太郎「消化器機能に対する鍼灸治療の効果とその機序」『鍼灸OSAKA』VOL18NO2、96-97、2002)という文章を読んだときは驚いた記憶があります。

以下は、ナイジェリア、首都ラゴスのホリスティックメディスンセンターのジョゼフ・ソディポ先生の論文です。

1979年ナイジェリアの鍼研究
「鍼と胃酸の研究」
Acupuncture and gastric acid studies.
Sodipo JO, et al.
Am J Chin Med. 1979 Winter;7(4):356-61.

※十二指腸患者と非潰瘍消化不良患者の2群に対して鍼を行ったところ、胃痛の消失と酸分泌量の減少が観察している。

ナイジェリアのラゴス医科大学助教授のジョセフ・ソディポ先生は第5回国際鍼灸学会にも寄稿されています。

1979年「ラゴス大学教育病院での鍼クリニック
ソディポ ジョセフO.
『日本鍼灸治療学会誌』1979 年 27 巻 3 号 p. 49-52

1960年代~1980年代から中国はアルジェリアやエチオピア、タンザニアなどアフリカ諸国に中医針灸の使節団を送っていました。

2017年にアフリカへの中医薬(漢方)の貿易額は8.000万ドル(880億円)に達して、2,000人の中医師をアフリカ大陸に送っています。中国で開かれる針灸関係の国際学会には必ずアフリカ人が招かれています。

2018年8月19日『CRI』「中国、アフリカに漢方医師を約2000人派遣

2018年8月24日『CRI』「アフリカ諸国との中国医薬輸出入額が8000万ドルに

■セネガル

2018年8月20日 フランスのテレビネットワークTV5MONDE
「セネガル:どのように、中医学はアフリカを誘惑しているのか?」
Sénégal : comment la médecine chinoise séduit jusqu’en Afrique

■コンゴ

2018年8月25日『アフリカニュース』
「鍼はコンゴ人患者の間で人気になっている
Acupuncture popular with Congolese patients

■エチオピア

2018年8月20日
「中国医学者がエチオピアにいる」
中国医生在埃塞俄比亚

■ケニア

2018-08-19『新華網』
「中医学がケニアで行われる」
中医夫妇行医肯尼亚

■ウガンダ

2018年8月18日
「中医鍼灸のウガンダの後継者」
通讯:中医针灸的乌干达传承人

■タンザニア

2018年8月16日『中国文化中心』
「中医学文化がタンザニアに入る」
中医药文化走进坦桑尼亚

■アルジェリア

2017-08-20
「中医治療はアルジェリアで歓迎される」
中医疗法在阿尔及利亚受欢迎
※1964年からアルジェリアで中医針灸が行われている。

中国語のアフリカ国名はなじみがないのでフォローしきれないのですが、中医学は2000年から2010年代に東南アジアで合法化され、ヨーロッパにも中医学センターが次々とつくられ、中東でも鍼灸が合法化されつつあります。今度はアフリカで中医学が普及されつつあります。2010年代後半に世界では根本的変化が起こっているように感じます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする