雲南省の熱敏灸と慢性骨盤痛

2019年1月19日「雲南中医学院の名前が、雲南中医薬大学に変更された」
雲南中醫學院更名為雲南中醫藥大學

雲南省はヴェトナム、ラオス、ミャンマー、チベット、広西チワン族自治区、四川省に囲まれて少数民族というイメージがあり、希少な漢方の生薬がたくさん取れます。

雲南省といえば 雲南省のイ族の名医、曲焕先生がつくった雲南白薬です。中国・雲南省ペー族(白族)出身の名医で清末の宮廷医だった彭子益先生の存在や、さらに雲南省が生薬の名産地であることを考えると、雲南省の学術レベルが低いわけがないと思います。

雲南省には『雲南中医学院学報』や『雲南中医薬雑誌』があります。 合計7本の熱敏灸論文が存在します。掲載された論文で一番面白かったのは慢性骨盤痛の熱敏灸の症例です。

2014年「熱敏灸と中医薬浣腸の結合による慢性骨盤痛の緩解作用」
热敏灸结合中药灌肠缓解慢性盆腔痛的作用
胡水荣 宋秀玲 刘青玲 周晓平 许琼瑜 陈尚杰
《云南中医学院学报》2014年 第3期

慢性骨盤痛に対して三陰交(SP6)、次りょう(BL32)、腎兪(BL23)、関元(CV4)、子宮(奇穴)で熱敏現象を起こし、腹部に響かせます。

慢性骨盤痛は西洋医学で注目されている概念です。子宮内膜症などの骨盤帯痛や慢性前立腺炎様症候群の慢性骨盤痛症候群や間質膀胱炎による下腹部痛なども含みます。さらにスポーツ医学の鼠径部痛症候群なども含まれます。西洋医学でも骨盤内うっ血症候群という病気があり、東洋医学の瘀血そっくりです。

骨盤痛は学際領域であり、西洋医学で難治であり、文献も非常に少ないです。

以下の論文も面白かったです。脾虚湿盛の仮性近視に対して中かん(CV12)、天枢(ST25)、足三里(ST36)の熱敏灸で脾虚湿盛を治療しています。

2015年「推拿と熱敏灸の結合治療による脾虚湿盛型仮性近視の臨床効果観察」
推拿结合热敏灸治疗脾虚湿滞型假性近视的临床疗效观察
曹畅 詹强 赵鹏杰 陈羽峰 徐霞 左金红
《云南中医学院学报》 2015年04期

【雲南省の熱敏灸論文】