SUS(ブラジル統合医療システム:Sistema Único de Saúde)の歴史

2018年2月18日ブラジルの新聞『ブラジル・デ・フェト』
「『SUS(ブラジル統合医療システム)』の報告:統合医療臨床は、プライマリ・ケアの80パーセントの問題を解決できる」
Repórter SUS | Práticas Integrativas podem tratar 80% dos problemas na Atenção Básica

植物療法、鍼、人智学医学、マッサージ、レイキ、その他は信頼を勝ち得ているが、投資が必要である。

ブラジル政府は、スイスと並んで代替医療を積極的に活用する政策を採用しています。ブラジル政府とブラジル保健省は、2006年に「統合補完医療プラクティスのためのナショナル・ポリシー」を発表し、統一ヘルスシステム(SUS)として、鍼、ホメオパシー、植物ハーブ医学、人智学医学、温熱療法の5つの代替医療を認めました。

人智学医学はドイツのルドルフ・シュタイナーがイタ・ヴェーグマン医師と共に開発し、2017年8月1日からスイス政府が公式に保険支払いを認めた補完医療です。神戸の三宮には人智学医学のオイルマッサージトリートメントを受けられるお店があります。

2006年当時のブラジル連邦医学会議が認めていたのは鍼とホメオパシーだけでした。

2017年3月28日にはブラジル政府から新しいポリシーが発表され、 統一ヘルスシステムに芸術療法、アーユルヴェーダ、バイオダンス、サークルダンス、瞑想、音楽療法、ナチュロパシー、オステオパシー、カイロプラクティック、リフレクソロジー、レイキ、アーユルヴェーダマッサージ、統合コミュニティ・セラピー、ヨガの14の治療法が追加され、合計19の治療法が認められました。

2018年3月12日にブラジル政府はさらに以下の10種類の代替医療を認めました。合計で29種類の代替医療です。

アピーテンセラピー:アビトシン、ロイヤルゼリー、花粉、プロポリス、ハチミツなどの蜂の生産物を使用する方法。
アロマセラピー:植物から抽出された揮発性濃縮物の利用。
バイオエネルギー:苦痛・病気の理解を組み合わせた診断ビジョン。身体の心理療法とセラピー運動を取り入れている。
ファミリー・コンステレーション:世代や家族の成員の意識に、無意識的に影響を及ぼす隠れた力動を顕在化させる手法。
クロモセラピー:身体の調和を目的として、病気の治療に色を使う。
クレイセラピー:創傷、治癒、傷害、骨粘膜疾患を治療するために水と粘土を利用。
催眠療法:リラクゼーションと集中力により、望ましくない行動を変化できるよう、意識の状態を高めて人を誘導する手法。
オゾン療法:オゾンガスを使った治療。
フラワーセラピー:特定の精神的な乱れを変えるために、 花のエッセンスを利用して心身のバランスを整える。
按手療法:エネルギーを患者に伝達するため、人の身体の近くに手を置く療法。

ブラジル保健省が2018年に代替医療として 按手療法を公式に認めたというニュースを読み、ブラジルでどんなハンドヒーリングをしているのかを調べたら、日本のハンドヒーリング のレイキと浄霊がでてきました。

1935年に民間療術師「岡田式神霊指圧療法」の岡田茂吉さんが「手かざし」を浄霊と称して治療院を経営しはじめ、これは後にGHQの療術の弾圧を逃れて世界救世教という新宗教となりました。

よく駅前で「あなたの幸せを祈らせてください」と言っているものです。新興宗教家の岡田茂吉さんはもともとは指圧治療家であり、それがGHQの弾圧で地下にもぐって宗教家になったのです。浄霊という手かざしをする際、信者さんは「おひかり」というお札を与えられ、身につけてハンドヒーリングをします。私は日本の指圧の歴史を調べた時に、この秘密のお札を調べましたが実物を見つけることができませんでした。ところが、ブラジルのポルトガル語ウィキペディアにこの秘密のお札が写真入りで公開されていました!まさか地球の裏で秘密のお札を見ることができるなんて!

お札の写真には、漢字で「大光明)」と書かれています。レイキのシンボルと同じです。ブラジルの按手療法として、1922年にはじまるレイキと1935年にはじまる浄霊という2つの日本由来のハンドヒーリングがあり、ブラジル政府のSUSの一部となっています。

2006年から2019年までの13年間でブラジルの代替医療・補完医療・統合医療は大きな進化を遂げました。YNSAを初めとして、最近の鍼の面白い研究はほとんどがブラジルです。ポルトガル語圏は、ポルトガルが鍼に対してネガティブな反応を起こしていますが、ブラジルを含むので2億1500万人と世界7位の巨大市場です。旧ポルトガル語植民地マカオを通じて、中国伝統医学の世界にもつながっています。

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