『傷寒論』傷寒例の秋分の理論

後漢の張仲景著、『傷寒論』傷寒例です。

以下、引用。

これゆえ冬至以後は一陽(陽気)が上昇し、一陰(陰気)が下降する。夏至以降は一陽(陽気)が下降し、一陰(陰気)が上昇する。冬至と夏至の「二至」は陰陽の合うところであり、春分と秋分の「ニ分」は陰陽の離れるところである。陰陽が交代し、人間の病は変化する。それで君子は春夏は陽気を養い、秋冬は陰気を養う。これが天地の剛柔にしたがうということである。

中国伝統医学では冬至・春分・夏至・秋分はものすごく大事な節目となります。季節によって治療法が変わるからです。秋分前後に体調を崩される方もいらっしゃいます。

子月(12月22日~)一陽五陰:冬至・小寒
丑月(01月20日~)二陽四陰:大寒・立春
寅月(02月19日~)三陽三陰:雨水・啓蟄
卯月(03月21日~)四陽二陰:春分・清明
辰月(04月21日~)五陽一陰:穀雨・立夏
巳月(05月21日~)六陽無陰:小満・芒種
午月(06月22日~)五陽一陰:夏至・小暑
未月(07月23日~)四陽二陰:大暑・立秋
申月(08月23日~)三陽三陰:処暑・白露
酉月(09月23日~)二陽四陰:秋分・寒露
戌月(10月24日~)一陽五陰:霜降・立冬
亥月(11月23日~)無陽六陰:小雪・大雪

秋の燥邪、秋燥には2種類あります。秋分以前は温燥、秋分以後は涼燥として分析されます。

温燥では頭痛や咳、痰、のどの乾き、鼻腔の乾燥、口渇、舌尖紅、脈浮数となります。清燥潤肺の清燥救肺湯などです。食べ物では、ナシなどで予防します。梨の絞り汁は生薬で雪梨漿(せつりしょう)や梨汁飲(りじゅういん)といって、温病に使われる漢方処方、五汁飲にも配合されています。

涼燥では頭痛、無汗、鼻水、乾咳、咽痛、のどの渇き、唇の乾燥、脈浮緊数となります。通陽発汗の葱豉汤などです。食べ物ではダイコンなどで予防します。ダイコンのタネは来服子として、去痰の三子養親湯にも配合されます。ダイコンは炊いたら甘味、温性で去痰・解毒しますが(『唐本草』)、ダイコンおろしは辛味、涼性で去痰作用があります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする