肩関節周囲炎へのセイリン円皮鍼、パイオネックスの即時的鎮痛効果

2017年オックスフォード大学出版局『ペインメディスン』
「癒着性関節包炎への鍼の即時的鎮痛効果:ランダム化二重盲検比較試験」
Immediate Pain Relief in Adhesive Capsulitis by Acupuncture—A Randomized Controlled Double-Blinded Study
Sven Schröder,et al.
Pain Med. 2017 Nov 1;18(11):2235-2247. doi: 10.1093/pm/pnx052.

以下、引用。

【結論】
遠隔鍼の即時的鎮痛効果は癒着性関節包炎の患者で示され、鍼における円皮針とプラセボ円皮針を確証した。

著者のスヴェン・シュローダー先生はドイツ・ハンブルクの神経内科医で、糖尿病性ニューロパシーの鍼灸治療を特に研究されています。

スヴェン・シュローダー先生は円皮針で遠隔取穴を用いています。読んでいたら、私が「間中先生式巨刺」「五行鍼」と呼んでいる「肘から先、膝から下の2本から4本程度の鍼」の遠隔治療で痛みを取る方法とすごく似ています。

スヴェン・シュローダー先生は右肩の後方の小腸経の肩貞(SI9)あたりの痛みに、左足の崑崙(BL60)や左足の商丘(SP5)、左の少海(HT3)あたりの阿是穴に刺して痛みを鎮痛している症例を書かれています。

2013年、スヴェン・シュローダー
「数学を反映した歴史的文献から発達した鍼研究プロトコル:合理的で個別化された鍼のツボ選択の方法論と即時的疼痛緩和」
An Acupuncture Research Protocol Developed from Historical Writings by Mathematical Reflections: A Rational Individualized Acupoint Selection Method for Immediate Pain Relief
Sven Schroeder
Evid Based Complement Alternat Med. 2013; 2013: 256754.
Published online 2013 Jan 29. doi: 10.1155/2013/256754
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3569893/

私は韓国の舎岩鍼法や日本の間中喜雄先生の刺法を独自に検証しているうちに、自然と似たような法になっていったのですが、ドイツのスヴェン・シュローダー先生のアイディアの元は、台湾の故・譚特夫先生の「譚氏天應穴平衡針法(譚針)」、「ドクター・タン」ことRichard Teh-Fu Tan, LAc.,O.M.Dの「ドクター・タンの鍼」のようです。これは、2019年1月のセミナー参加者の先生に教えていただきました。セミナーの良いところは、私自身も勉強できることです。私はスヴェン・シュローダー先生や譚特夫先生の譚針と偶然、似た刺法をしていたので、この論文の効果が実感できます。スヴェン・シュローダー先生は要注目だと思いました。

2018年「糖尿鍼ー糖尿病性末梢神経障害への鍼とレーザー鍼:ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験」
ACUDIN – ACUpuncture and laser acupuncture for treatment of DIabetic peripheral Neuropathy: a randomized, placebo-controlled, partially double-blinded trial
Sven Schroeder  et al.
BMC Neurol. 2018; 18: 40.
Published online 2018 Apr 13. doi: 10.1186/s12883-018-1037-0
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29653569

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