更年期のホットフラッシュ研究

ノースカロライナ州ウェークフォレスト医科大学 ナンシー・エイビス先生の更年期ホットフラッシュ研究

2019年4月 北米更年期学会雑誌 『メノポーズ』
「更年期ホットフラッシュに対する3つの非薬学的治療のプール解析」
A pooled analysis of three studies of nonpharmacological interventions for menopausal hot flashes
Avis, Nancy E.et al.
Menopause: April 2019 – Volume 26 – Issue 4 – p 350–356

以下、引用。

【結論】
鍼、ヨーガ、健康教育クラスはすべて統計的に同じよう、対照群と比較して、ホットフラッシュの頻度を減らす効果があった。

ウェークフォレスト医科大学は更年期の鍼の研究の中心の一つです。2018年にシステマティックレビューを発表しています。ウェークフォレスト医科大学はNIHアメリカ国立衛生研究所の研究予算トップ3の医大です。

2018年1月 Deanna Befus博士
(ウェイクフォレスト医学校統合医療センター)が『補完代替医療ジャーナル(JCAM)』に発表した「更年期症状の鍼によるマネージメント:包括的システマティックレビューとメタ・アナリシス」
Management of Menopause Symptoms with Acupuncture: An Umbrella Systematic Review and Meta-Analysis.
Befus D et al.
J Altern Complement Med. 2018 Jan 3. doi: 10.1089/acm.2016.0408.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29298078
https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/acm.2016.0408

【結論】
対照群である通常ケアと比較して、ランダム化比較試験は健康関連QOLや女性の活動性などとともに、更年期血管運動症状の減少に対して鍼を使用する根拠となる。

ウェークフォレスト医科大学ではナンシー・エイビス先生が中心になって、10年以上、更年期のホットフラッシュへの鍼の効果を研究されています。

2008年ナンシー・エイビス論文
「更年期ホットフラッシュへの鍼治療のランダム化比較試験パイロット研究」
A Randomized, Controlled Pilot Study of Acupuncture Treatment for Menopausal Hot Flashes
Nancy E. Avis,et al.
Menopause. 2008;15(6):1070-1078.
http://www.medscape.com/viewarticle/583598_2

以下、引用。

中医学の理論によれば、更年期症状は主に腎臓の陰陽のアンバランスによって引き起こされる。

鍼治療を受けたグループは腎陰・腎陽を正常化・強化し、ホットフラッシュと寝汗を治療するように標準化された鍼治療を受けた。

標準治療は、次の鍼のツボ、関元(CV4)、太溪(KI3)、三陰交(SP6)、腎兪(BL23)、神門(HT7)、復溜(KI7)を含む、正中線に位置する関元(CV4)を除いて左右ともに鍼をされて、全部で11穴に鍼をした。

2016年、ナンシー・エイビス先生がランダム化比較試験でホットフラッシュと寝汗が36パーセント改善したことを報告しました。

2016年6月ナンシー・エイビス論文『メノポーズ』
「更年期における鍼研究:実践的ランダム化比較試験」
Acupuncture in Menopause (AIM) study: a pragmatic, randomized controlled trial
Avis, Nancy et al.
Menopause: June 2016 – Volume 23 – Issue 6 – p 626–637
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/27023860/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4874921/

【結論】
鍼治療をしていないグループと比較して、一連の鍼治療をしたものは血管運動症状の顕著な減少といくつかのQOL指標が改善したことを発見した。この臨床的効果は治療後の6カ月でも確認できた。

2017年2月ナンシー・エイビス論文『メノポーズ』
「鍼による更年期血管症状の反応の軌跡:鍼更年期研究」
Trajectories of response to acupuncture for menopausal vasomotor symptoms: the Acupuncture in Menopause study.
Avis NE et al.
Menopause. 2017 Feb;24(2):171-179.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27676631
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4874921/

【結論】
鍼は無治療群と比較してホットフラッシュを減少させ、睡眠を促進することができる。臨床的効果は2、3回の鍼治療でも数ヶ月持続しているようである。

2016年2月に更年期の睡眠障害について台湾の台北医学大学・睡眠科学センターもシステマティックレビューを発表しています。

2016年2月「更年期周囲と閉経後女性の睡眠障害を鍼は減少させるか:システマティック・レビューとメタ・アナリシス」
Acupuncture to Reduce Sleep Disturbances in Perimenopausal and Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-analysis.
Chiu HY, Hsieh YJ, Tsai PS.
Obstet Gynecol. 2016 Feb 4.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26855097

以下、引用。

更年期関連睡眠障害の女性の睡眠障害について鍼は顕著な減少を示した。

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