新型コロナウイルスの防疫に空港の体温チェックは機能しない

2020年2月20日『CNN』
「アメリカのコロナウイルス症例は、空港で体温チェックで捕捉できなかった。なぜ、体温チェックで捕捉できなかったのか?」
No US coronavirus cases were caught by airport temperature checks. Here’s what has worked

空港の赤外線サーモグラフィーは実効がないようです。ただ、「やってる感」は出るので、為政者(官僚)の立場からは一般市民に「(偽りの)安心感覚」を与えるというメリットはあります。

以下、引用。

アメリカのCDCアメリカ疾病予防管理センターは先月3万人以上をスクリーニングしたが、空港での体温チェックでただの1人も捕捉できなかった。

長い間、空港の体温チェックの有用性についての議論があり、最近のアメリカの空港での経験に加えてヨーロッパの研究では空港での体温チェックは機能しないということを指摘している。

今月はじめ、イギリスの研究者が空港での体温チェックがコロナウイルス感染の半分を見逃すことを示した研究論文を出版した。

少なくとも一つの国は空港での体温チェックが役に立たないとわかってから、新型コロナウイルス・アウトブレイクに体温チェックを採用しなかった。イスラエルはエボラ出血熱、SARS、鳥インフルエンザH1N1型に何年も空港体温チェックを採用していたが、それがまったく役に立たないことに気づいた。「役に立たないし不十分だ」とイスラエル保健省のディレクターであるイタマル・グロト医師は言う。

イスラエルはいつもながら本音トークです。今回の新型コロナウイルスの防疫が困難なのは、発熱などの症状がない無症状の人が多すぎることです。

2020年2月6日
「新型コロナウイルス感染症に感染した旅行者のスクリーニングと検出の有効性をいうことはできない」
Effectiveness of airport screening at detecting travellers infected with novel coronavirus (2019-nCoV) separator commenting unavailable
Billy J Quilty et al.
Eurosurveillance Volume 25, Issue 5, 06/Feb/2020

防疫学とはイタリア語ヴェネティア方言の「quarantena(40日間)」が語源です。中世ヨーロッパでペストが大流行し、ヴェネティア共和国が東方から来る貿易船を40日間入港させずに様子をみたことに由来します。

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