ジョンホプキンス大学 Event201の新型コロナウイルスCAPSと経済影響シミュレーション

2019年11月6日公衆衛生学の最高峰『ジョンホプキンス大学』
「パンデミック・シミュレーション演習は巨大な準備不足ギャップに焦点をあてる」
Pandemic simulation exercise spotlights massive preparedness gap

「ジョンホプキンス大学がおこなった『イベント201』でコロナウイルスは壊滅的インパクトで急速に拡がった」
Event 201, hosted by the Johns Hopkins Center for Health Security, envisions a fast-spreading coronavirus with a devastating impact
https://hub.jhu.edu/2019/11/06/event-201-health-security/

このジョンホプキンス大学の記事の日付は2019年11月6日です。未来を予測しています。

ジョンホプキンス大学は「公衆衛生学(Public Health)」という学問を創った大学であり、最高峰です。そのジョンホプキンス大学が2019年10月18日にビル・ゲイツ&メリンダ・ゲイツ財団と共同でパンデミック演習「イベント201」をおこないました。南米で新型コロナウイルス「CAPS」が発生し、それが南米から世界中に拡がる過程で「渡航禁止」と「隔離政策」が行われ、経済危機が起こるという結果が出ました。演習で使われた名前は「新型コロナウイルスCAPS」です。

以下、ジョンホプキンス大学の記事から引用。

免疫耐性ウイルス(ニックネームはCAPS)は貿易と旅行を停止させ、世界経済を暴落させ、ソーシャルメディアでは人々はウワサと偽情報を流し、政府は崩壊状態となり、市民は暴動を起こした。

新型コロナウイルスCAPSはSARSの親戚であり、少しだけインフルエンザのように感染力が強く、致死的だった。

「イベント201」シミュレーションでは新型コロナウイルスCAPSは18カ月間で6,500万人の命を奪い、1918年のスペイン風邪インフルエンザのパンデミックを超える被害を出した。

この 「イベント201」シミュレーションはアメリカCBSニュースでも報道されています。

2020年1月25日アメリカCBSニュース
「パンデミック・シミュレーションはグローバルコミュニティの絵を描いた」
Pandemic simulation painted grim picture for global community

以下、引用。

シミュレーションされたパンデミックは世界金融危機の引き金を引き、株式市場を崩壊させ、世界のGDPを11パーセントも下落させた。

2019年10月に行われた「イベント201」ではパンデミックの際に渡航制限や貿易制限をやるべきではないと勧告しています。

国家、国際組織、グローバル企業は、ともに旅行と貿易を深刻なパンデミックの間でさえ維持すべきである。

ジョン・ホプキンス大学のJohns Hopkins Center for Health Securityという組織は、2001年6月22日にダーク・ウィンターという第1回の天然痘バイオテロ公衆衛生シミュレーション演習をおこないました。2002年9月18日には、9.11の直後の「アメリカ炭疽菌テロ事件」というバイオテロが起こりました。2005年1月14日にはアトランティック・ストームという第2回の天然痘バイオテロ公衆衛生シミュレーション演習を行いました。2018年5月15日にはクレードXという第3回の公衆衛生シミュレーション演習を行いました。2019年10月18日にイベント201という第4回の新型コロナウイルス・パンデミック公衆衛生シミュレーション演習を行い、
2019年12月に新型コロナウイルスのアウトブレイクが始まり、2020年3月にWHOはパンデミックを宣言し、シミュレーションそっくりの出来事が起きているわけです。

2018年6月1日の『ニューヨーカー』の記事は第3回のクレードXという第3回の公衆衛生シミュレーション演習についてですが、まるで未来新聞です。

2018年6月1日『ニューヨーカー』
「パンデミック・シミュレーションの恐怖のレッスン」
The Terrifying Lessons of a Pandemic Simulation

以下、引用。

公衆衛生エキスパートは国境封鎖について警告した。「それは本当の問題から目をそらす以外には何の効果もない」。CDC長官は「グローバル・サプライ・チェーンを考えると、感染防御器具のほとんどが海外から輸入されていることを考えると、国境封鎖はひどいアイディアだ」と述べた(例えばマスクなどは海外で生産されているため輸入できなくなる)。国防長官は同意しなかった。「おれたちは髪の毛が燃えているのに何もやっていないみたいにみられる。大統領が何かしなければ、政敵に丘の上から狙撃されることになる(だから、何かやっているフリをしないと)。」

幸運なことに、これは「クレードX」というジョンホプキンス大学が行ったパンデミック・シミュレーションである。

これらの問題は2014年のエボラウイルス危機の際に顕著となった。アメリカは西アフリカの国々からの飛行機をシャットダウンした。そのような旅行禁止はアメリカが批准しているWHOのルールに違反している。また、ほとんどの医療ヘルス・プロフェショナルは「旅行禁止は効果がなく、非生産的だ」という意見だ。

しかし、旅行禁止・渡航禁止に関する科学的オピニオンは既に確立されているが、政治家や人気取りの連中は(科学的に)遅れている、そしてそれが「クレードX」演習が明らかにしたことである。

テーブルについて専門家と議論している際には、政治家は最初、渡航禁止(に関する科学的オピニオン)を学ぼうとしていた、そして専門家のアドバイスを採用しようとしていたが、大衆の見方とプレッシャーにものすごく敏感になっていた。

政治家は「平均的アメリカ人には渡航禁止がまったく役に立たないということを納得させられない」と言った。「これは彼らの健康に関するコミュニケーションが必要であり、渡航規制が彼らの健康を損ねるだろうと説得する必要がある」。テーブルにいたヘルス・プロフェッショナル専門家はこのような禁止に反対するとは考えていなかったため、政治家たちを説得させるレトリックをもっていなかった。

(シミュレーション演習では)いくつかの私立病院は即座に、経営者・利害関係者を守るためにクレードXの患者を追い払った。

軍事演習同様、公衆衛生学でも演習は重要です。世界最高水準の学問はすごいと感心しました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする