医療と帝国

2019年5月3日
《醫療與帝國》:看待全球衛生時,也得注意隱而未顯的帝國主義遺緒

マンチェスター大学のプラティク・チャクラバティ教授の「医療と帝国(醫療與帝國)」
medicine and empire: 1600-1960
2013年の中国語訳本の書評を陳柏勳(中西醫師、國立陽明大學科技與社會研究所碩士)先生が書かれています。

中医学に関連する記述は以下です。最近、台湾や香港の学術レベルは本当に凄いと感じます。

十九世紀西方國家挾著現代醫療進入中國,使得「傳統中醫學」在國族認同的追求下,於文化大革命時發明了名為「傳統」的新式中醫學。在結論處,作者認為帝國雖然隨著兩次世界大戰而結束,但殖民醫學的精神,仍在國際衛生組織的醫療援助活動中,以「全球衛生」之名得到延續。

現在、医療人類学の分野で帝国医療、植民地医学が大きなトピックスとなっています。

愼蒼健「第四章 日本漢方医学における自画像の形成と展開──「昭和」漢方と科学の関係」金森修(編著)『昭和前期の科学思想史』勁草書房、2011年、311-340頁。

「覇道に抗する王道としての医学 : 1930年代朝鮮における東西医学論争から」
慎 蒼健
『思想』905, 65-92, 1999
https://ci.nii.ac.jp/naid/110000459432

東洋医学の歴史を調べていくと、特に台湾や香港、モンゴル、朝鮮の医学史を調べていく上で帝国医療、植民地医学の問題は避けて通れません。ナショナリズムやイデオロギー的な見地より大きな文明論的な視座からでないと東洋医学を捉えるのは難しいと思います。

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