学校閉鎖は新型コロナウイルス感染症に対して効果があるのか

「学校閉鎖は新型コロナウイルス感染症に対して効果があるのか?ベイジアン推定を用いた時系列分析」
Was School Closure Effective in Mitigating Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)? Time Series Analysis Using Bayesian Inference
Kentaro Iwata * , Asako Doi , Chisato Miyakoshi
Version 1 : Received: 4 April 2020 / Approved: 6 April 2020 / Online: 6 April 2020

以下、引用。

【結論】日本における学校閉鎖は新型コロナウイルス感染症を緩和する効果を示さなかった。

著者の岩田健太郎先生は東京のロックダウンを主張され、論文でも主張されています。

以下、引用。

第5に、学校閉鎖は例えば交通制限や全都市封鎖ロックダウンといった他の対策と組み合わせれば効果的かもしれない。そして、われわれは学校閉鎖すべてが国家における新型コロナウイルス感染症に効果がないとは主張していない。しかしながら、3月の日本の学校一斉休校は新型コロナウイルス感染症に意味のある効果を示さなかった。他のセッティングにもとづく学校閉鎖の効果のさらなる研究が必要である。

個人的意見では、インフルエンザ流行期の学級閉鎖のように一定以上の局所的流行があるなら学級閉鎖は合理的ですし、地域的大流行が確認されるなら学校閉鎖も合理性があります。しかし、流行が確認されていない地域一帯での地域全体での学校閉鎖はもちろん、国家規模での学校閉鎖に関してはエビデンスは存在しないようです。

2010年「インフルエンザ流行期における流行軽減のための学校閉鎖戦略のシミュレーション」
Simulating School Closure Strategies to Mitigate an Influenza Epidemic
Bruce Y. Lee, et al.
J Public Health Manag Pract. 2010 May–Jun; 16(3): 252–261.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2901099/

【結論】
学校閉鎖はインフルエンザ流行を鎮圧することができないかもしれない。しかし学校閉鎖が最低でも8週間維持されるなら流行のピークを1週間遅らすことになり、インフルエンザワクチンの接種のような時間をかせぐことになるかもしれない。

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