N95ではないフェースマスクや手作りマスクの有効性

2020年4月5日
「新型コロナウイルス感染は普通の呼吸により感染するかもしれない。顔を覆うカバーに関するアドバイス」
SARS-CoV-2 May Be Transmissible Via “Normal Breathing”; Cloth Face Coverings Advised

以下、引用。

新型コロナウイスは新型コロナウイルス感染症を引き起こすが、アメリカ科学アカデミーの委員会が送ったレターによれば普通の呼吸でもエアロゾル感染を起こす。この研究者たちによるレターは、この発見が新型コロナウイルス感染症のコントロールに重要な意味があるという。

これは2020年4月3日『ネーチャー・メディスン』で発表されています。

2020年4月3日『ネーチャー・メディスン』
「呼気中の呼吸器ウイルス排出とフェイスマスクの有効性」
Respiratory virus shedding in exhaled breath and efficacy of face masks
Nancy H. L. Leung et al.
Nature Medicine (2020)
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0843-2

以下、引用。

この実験は新型コロナウイルス感染症の感染制御に重要な意味があり、サージカル・フェース・マスクは病人によって使われることによって前方への感染を減らすことを示唆している。

われわれは咳をしていない参加者の呼気からRNAを検出した、これは顕著な徴候や症状を示していない個人が飛沫感染・エアロゾル感染を起こすことを示唆している。

『ニューヨークタイムズ』の記事でドクター・スコット・シーゲルは手作りマスクについてアドバイスしています。

(太陽のような)明るい光にかざしてみて、光が繊維を通過してその繊維がみえるなら良くない。厚い密度の高密度の織りならその素材を使うべきである。

2020年4月8日『ニューヨークタイムズ』
「何が手作りマスクに最高の素材なの?」
What’s the Best Material for a Mask?

手作りマスクの素材は何が一番良いかについての最良の記事だと思います。しかし、咳やクシャミだけでなく無症候感染者の普通の呼吸でエアロゾル感染するという情報アップデートは、
現在の日本が採用している社会的距離戦略の根拠となった数理モデルには組み入れられていないはずです。また、咳やクシャミでは6-8メートルが安全な社会的距離であるという情報アップデートも組み入れられていません。もし組み入れたら、数理モデルの感染症の基本再生産数は変わるはずですし、数理モデルのカーブはかなり変化します。現在の 社会的距離戦略は成立しなくなるのではないでしょうか。

2020年4月8日『日本経済新聞』
『緊急事態宣言の「接触8割削減」目標、底流に英論文』

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする