【DVD】『整動鍼』

次世代の鍼灸論【整動鍼(せいどうしん)】 ~ツボで遠隔の緊張(痛み)を取る~ [DVD]

このDVDは貴重な情報が「そんなことまで言っていいの?」という部分までが丁寧に公開されているので本当に見て良かったです。私も座位や立位で一本一本、鍼を刺して、痛みや動きの改善を患者さんとコミニケーションを取りながら治療する遠隔・少数穴というスタイルなので、非常に似ています。ですから「こんなにコツや理論の部分までオープンにするなんて、この値段でものすごいお得感!」と感じました。私も出来るだけオープンにしていますが、暗黙知的部分は伝えにくいと感じています。栗原先生は暗黙知の部分までわかりやすく伝えようと工夫されていて、それが伝わるので凄い先生だと感嘆しました。

私は、整動鍼は次世代の日本の鍼灸の代表として海外でも普及すると公言していますが、その特徴はこの情報のオープンさにあります。

ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典
https://tsubonet.com/

これは日本全国から集まった症例とツボの使用例を集積し、無料で利用できます。流派が違っても勉強になります。このような流派を超えて鍼灸業界に貢献しようという理念を、言葉ではなく行動で伝えています。また、最新のテクノロジーを使った基礎研究・臨床研究を通じてツボの解明に尽力されています。キーワードは、オープン、クリアーで、世界中どこでも通じて再現性のある鍼灸だと思います。

2019年6月20日『現代ビジネス』
『日本の競争力「過去最低」世界30位の衝撃、衰退の根本原因を示そう このままではジリ貧だ』
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65317

以下、引用。

これほどまでに日本経済が低迷している1つの要因は、経済活動も人も内向きであることだ。

整動鍼のDVDを見ている時に思い出したのは、この良記事です。日本の鍼灸技術は素晴らしい、その事はベテランの鍼灸師なら誰でも知っています。しかし、その素晴らしさが日本社会にきちんと伝わっているかと聞かれて「イエス」という人はいないはずです。また、世界では、圧倒的に中医学鍼灸が普及しています。日本鍼灸が世界で評価されているかを聞かれて「イエス」と答える人も業界には皆無でしょう。

「整動鍼」をリスペクトするのは、海外にも積極的に普及しようという行動です。外に積極的に教えに行くことで予想もしなかった質問や反応に出会い、その経験を積むことで理論は整理され、組織に経験値が蓄積し、技術はより向上します。海外に出て異文化に触れることは、かつての高度成長期の日本企業、日本の武道、現在のテニスや野球などの世界の一流を争うレベルのスポーツが通ってきた道です。

日本鍼灸も岡部素道先生がソ連のジューコフ元帥の治療のために呼ばれたり、国際鍼灸学会の会長を務め、柳谷素霊先生がパリでピカソを治療した時代がありました。科学派も木下晴都先生はソ連や中国に呼ばれ、影響を与えています。

今の日本は組織が内向きで内部の論理だけで動き、内輪褒めばかりで情報がすべて内向きマインドなので、外部から見ると全く行動原理が理解できません。整動鍼は海外に積極的に出かけており、それは組織のメンバーに成長体験をもたらし、さらに良い循環を産みます。西洋医学に対しても、社会に対してもオープンネス(開放性)があり、それが一大特徴となっています。グローバル志向とオープンネスのスタイルがあるからこそ、未来の成長の可能性が高いと分析しています。

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