チベット伝統医学とアーユルヴェーダを融合させる動き

2019年7月20日『ユナイテッド・ニュース・オブ・インディア』
「チベット伝統医学をアーユルヴェーダと融合させよう」
Integrate Tibetan Medicine with Ayurveda : The Dalai Lama


ダライ・ラマは未来のチベット人のためにチベット伝統医学とインド・アーユルヴェーダの融合を決断し、「チベット伝統医学をアーユルヴェーダに融合させよう」と提言しました。この発言の背後には、いまのチベット伝統医学と亡命チベット人が置かれている状況があります。

2017年にはインドのAYUSH省が「インドの国益のために」チベット伝統医学をユネスコ無形文化遺産として申請しました。

2017年4月12日『チベットの太陽』
「インドと中国は、チベット医学システムをユネスコ(国連の教育科学文化機関)に登録した」
India and China nominate Tibetan medicine system for UNESCO honour

中国政府はチベット伝統医学を「チベット=中国伝統医学」であるとして、ユネスコの世界遺産に登録しようとしていましたが、インド政府がユネスコに無形文化遺産に登録を申請し、2018年から協議が始まることになりました。ユネスコの世界遺産は建物物など有形の物、無形文化遺産は無形の物を対象とします。

以下、引用。

インドはソワ=リグパのチベット医学をユネスコの無形文化遺産リストに登録した。チベット伝統医学は、中国北京政府も同じエントリーを世界遺産リストに送っていた。この無形文化遺産の関係書類は3月の終わりにインド政府により提出され、ユネスコは2018年には協議を始める。

中国の蔵医はチベット自治区のポタラ宮にある西藏藏医学院や青海省・蔵医院が教育の中心であり、国家が財政的にバックアップしています。しかし、同時に中国政府はチベット伝統文化を抑圧しています。

2019年『共同通信』
「ダライ・ラマ後継、中国承認必要 チベット自治区幹部が表明」
https://this.kiji.is/523451920594093153

以下、引用。

チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(84)の後継選びを巡り、中国チベット自治区の宣伝当局幹部、王能生氏は「(後継者は)中央政府に承認されなければならない」と述べ、中国主導で進める考えを示した。

後継者はダライ・ラマ死去後に生まれ変わりを探す輪廻転生制度で選ばれる伝統がある。王氏は「生まれ変わりを決めるのはダライ・ラマ個人や外国に住むグループではない」とも述べた。亡命チベット人社会は中国による15世の指名強行を警戒している。

チベット伝統医学はチベット仏教医学であり、チベット文化やチベット語と分けることはできないのです。輪廻転生を信じない共産主義者がチベット語とチベット文化の絶滅政策をとりながら、チベットの輪廻転生制度を乗っ取って次代のダライ・ラマを共産党主導で決めています。今、ウイグルでもウイグル伝統医学とイスラム教徒たちは絶滅政策の犠牲になっています。この体制では伝統医学が継承されないと思います。

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