英国国立医療技術評価機構はガイドライン文書で慢性疼痛に薬物ではなく鍼を推奨

 
2020年8月3日
英国国立医療技術評価機構(NICE:National Institute for Health and Care Excellence)
「慢性疼痛に一般的に使われている治療法は有害であり、使われるべきではないと英国立医療技術評価機構(NICE)はガイドライン文書で述べている」
 
 
以下、引用。
 
薬物療法のかわりに、2020年9月14日に公開されるガイドライン文書では慢性疼痛の人々にエクササイズ運動プログラム、ある種類の精神療法、または鍼を推奨している。
 
ガイドライン文書は、慢性疼痛の人々にある種類の抗うつ剤を推奨している。しかし、パラセタモール(アセトアミノフェン)、非ストロイド系抗炎症剤(アスピリンやイブプロフェンを含む)、ベンゾジアゼピン、オピオイド麻薬鎮痛剤を推奨すべきではないと述べている。
 
ガイドライン文書によると、ガバペンチノイドを含む抗てんかん薬(訳者注:リリカなど)、局所麻酔薬、ケタミン、コルチコステロイド、向精神薬は、慢性疼痛の人々に推奨されるべきではない。これらは慢性疼痛の治療に効果があるというエビデンスはまったく存在せず、しかも有害である可能性がある。
 
鍼は明確に定義されたパラメーターのもとで提供されるなら、原発性慢性疼痛の人々への選択肢として推奨される。
 
 
 
これは2017年にアメリカ内科医師会(ACP)が出版した腰痛ガイドラインと非常に似ています。薬物療法は慢性疼痛にまったく効果がなく、有害であり、鍼・脊椎マニュピュレーション(カイロプラクティック手技など)、認知行動療法、エクササイズ運動療法などを推奨していました。アメリカ国防総省や退役軍人省も同じ見解です。これは科学革命・パラダイムシフトの典型例として、未来の科学哲学、科学基礎論の世界で評価されると思います。
 
 
慢性疼痛に従来のNSAIDやリリカやオピオイドなどの薬物療法は効果がないだけでなく有害であり、代替に鍼が推奨されています。
 
 
2017年2月14日『アナルス・オブ・インターナル・メディスン』
「急性、亜急性、慢性の腰痛の非侵襲的治療:アメリカ内科医師会によるクリニカル臨床ガイドライン」
Amir Qaseem, et al.
Annals of Internal Medicine
CLINICAL GUIDELINES |14 FEBRUARY 2017
 
 
 
 

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