耳穴:口

中国式耳穴の口です。耳の耳甲介にあります。耳輪脚の下方の前3分の1のところに取ります。主治は口内炎などです。中国のデータベースでは反復性口腔潰瘍に使われていました。

1982年
「耳鍼による反復性口腔潰瘍28例の治療の中間総括」
耳针治疗复发性口腔溃疡28例小结
李怀仁
湖北中医杂志  1982年04期

耳穴の口が主穴のようです。反復性口腔潰瘍の弁証論治では、
(1)胃火
(2)心脾両虚
(3)腎陰虚
が一般的なようですから、心・脾・腎が配穴されるのだと推測できます。

口腔潰瘍は中医学の口瘡です。1617年、命門学説で有名な趙献可著、『医貫』巻之五、口瘡論に「口疮.上焦实热.中焦虚寒.下焦阴火.各经傅变所致.当分别而治之.」と論じているのが上焦熱(心熱)、中焦虚寒(脾虚)、下焦陰火(腎熱)の根拠になっているようです。趙献可先生は口瘡の中焦虚寒に補中益気湯、下焦陰火に通陽の附子理中湯を用いています。臨床レベルが現代中医学と違い過ぎます。これは現代中医学の火神派の使い方だと感じました。

《医贯》口疮论
http://www.zysj.com.cn/lilunshuji/yiguan/728-8-2.html

趙献可の『医貫』は徐霊胎の1764年『医貫砭(いかんへん)』で痛烈に批判されたことでも有名です。

徐大椿《医贯砭》
https://ctext.org/wiki.pl?if=gb&res=265824&remap=gb

※真柳誠先生の『医貫』解題
http://square.umin.ac.jp/mayanagi/paper01/ikan.html

※2007年「趙献可の婦人科の学術思想の研究」
赵献可妇科学术思想探讨
岑维璠
世界中医药 2007年02期
https://kns.cnki.net/KCMS/detail/detail.aspx…
http://www.sjzyyzz.com/sjzyy/ch/reader/create_pdf.aspx…
(オープンアクセス)

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