易経バランス鍼 (ICBA:I Ching Balance Acupuncture)

 
 
2011年デヴィッド・ツウィッケン著
『易経鍼バランス・メソッド:八卦と易経の臨床応用』
Jessica Kingsley Pub (2011/12/15)
 
 
Youtube『東洋医学の最新情報:第10回:顔面痛』で紹介させていただいたイスラエルのコトリヤール先生の「持続性特発性顔面痛(PIFP)」「非定型顔面痛」の症例で使われていた遠隔治療、易経バランス鍼(I Ching Balance Acupuncture)は、この文献に基づく鍼治療法です。『易経』の河図洛書や子午流注図や八卦、六十四卦の解説が文献の10分の9で、ツボの配穴の記述は文献の10分の1くらいです。本格的な『易経』解説本として感心しました。
 
イスラエルのコトリヤール先生は、小腸経の顔面痛に肝経を刺すなど、子午配穴法を使われており、これは日本では福島弘道先生も使われていた配穴法です。
 
 
子(足少陽胆経)ーー午(手少陰心経)
丑(足厥陰肝経)ーー未(手太陽小腸経)
寅(手太陰肺経)ーー申(足太陽膀胱経)
卯(手陽明大腸経)ー酉(足少陰腎経)
辰(足陽明胃経)ーー戌(手厥陰心包経)
巳(足太陰脾経)ーー亥(手少陽三焦経)
 
 
2003年10月の『アキュパンクチャー・トゥデイ』に著者のデヴィッド・ツウィッケン先生による『易経バランス鍼』の説明記事がありました。
 
 
2003年10月『易経鍼』
I Ching Acupuncture
BY DAVID TWICKEN, DOM, LAC
 
 
 
以下、引用。
 
前ロサンゼルス市長のトーマス・ブラットリーのようにドクター・チェンの治療を受けた多くの人が知っている。道教マスターのバオ・リン・ウー(気功師:Qi Gong For Well-Beingの著者)、ドクター・リチャード・テーフー・タン(譚特夫先生)はドクターチェンの仕事を深く研究して彼のワークショップを始めた。
 
1925年に中国の温州で生まれ、共産党の支配を逃れて台湾に引っ越した。ドクター・チェンは最初、メカニカルエンジニアとしてその職歴をスタートした。
 
ドクターチェンの妻は鍼のクラスが近所で行われていることを知らせた。ドクター・チェンは夜のクラスに参加すると決心し、彼の研究の間、聴講することがすごく好きだった。八卦鍼マスターの講義を聴講して彼のクリニックで師匠を観察した。
 
ドクター・チェンは見学したものに深い感銘を受けた。そして師匠の方法を学べるように尋ねた。師匠は家族にだけ教えるという伝統があると答えて、知識を共有できないことを残念に思うと伝えた。それにも関わらず二人は友人となり、ドクターチェンは八卦鍼師になると決心し、黄帝内経にもとづく古典法を初歩的に使い、反対側のツボを選ぶようになった。
 
ドクター・チェンは『黄帝内経』は『易経』に基づくものであることが理解できた。
 
1975年にドクター・チェンは易経とコンピューターにもとづく鍼治療のエッセンスを書いて、台湾、韓国、日本で講義をおこなった。この小さな本は1990年から21世紀にかけて最も影響を与えるシステムとなった。
 
 
 
 
Tan’s Acupunctureの故・譚特夫先生の師として、中国共産党の支配から逃れてアメリカに渡ったドクター、Chao Chen先生がいらっしゃったということらしいです。さらにドクターChao Chen先生は八卦鍼マスターに学んだとのことです。
 
 
 

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