4つの肺気虚と肺気虚スペクトラム

2013年「李沢康教授の肺気虚証の研究の総括」
李泽庚教授肺气虚证研究总结
李泽庚 et al.
中国中西医结合急救杂志 2013 年 7月第 20 卷第 4 期 C
http://med-wanfangdata-com-cn.webvpn.nit.edu.cn/…/Periodica…

日本中医学会の懇親会で複数の先生と議論になったのが中医学AI弁証論治についてです。脾気虚でもアフリカの飢餓難民の脾気虚は四肢と肌肉が痩せて、消化できずに下痢をしますが、現代日本人の夏ばての食欲不振、下痢しやすい、夏痩せの脾気虚とはレベルが違います。

肺気虚も同じで、秋ばてのやる気がない、疲れやすい、風邪をひきやすい、鼻水が出る程度と、閉塞性肺疾患(COPD)の息切れ、喘鳴、労作による呼吸困難、易感染性はレベルが違うわけです。しかし、臨床家はどちらも肺気虚と表現して、しかも臨床的には上手く情報処理しています。 

 李沢康教授は、肺気虚を

(1)衛気レベルの軽度(1級)、
(2)気のレベルの中度(2級、肺・脾)、
(3)治節失常の重度(3級、肺・脾・心・腎)、
(4)多器管受損(極重度、肝・脳・胃、腸など)

の4つに分類しています。

自閉症はその多様性を表現するために、自閉症スペクトラム・ディスオーダー(ASD)と病名が変わりました。スペクトラムとは「連続体」です。本来は腰痛も腰痛スペクトラム障害ですし、うつ病もうつ病スペクトラム連続体なのだと思います。臨床家の情報をいかにしてAIや初心者向けに翻訳していけるかという「言語化」が課題のようです。

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