劉保延 『アメリカ胃腸学会雑誌』便秘論文

 
2020年12月3日『アメリカ胃腸学会雑誌』
「重度の慢性便秘に対する電気鍼療法とプルカロプリドの比較」
A Multicenter, Randomized, Controlled, Noninferiority Trial
Liu, Baoyan(劉保延) et al.
The American Journal of Gastroenterology: December 3, 2020
 
 
560人の重度便秘の患者さんを280人ずつに割り付けて8週間28回の電気鍼治療を行い、便秘薬のプルカロプリドと同程度の効果だったようです。便秘の分野では、2016年に劉保延先生が 一流医学雑誌『アナルス・オブ・インターナル・メディスン』 に発表した鍼のランダム化比較試験が有名です。
 
 
2016年9月13日『アナルス・オブ・インターナル・メディスン』
北京中医薬大学、中国中医科学基礎研究所発表の論文
「深刻な慢性機能性便秘に対する鍼:ランダム化比較試験」
Acupuncture for Chronic Severe Functional Constipation: A Randomized, Controlled Trial
Zhishun Liu, et al.
Ann Intern Med. Published online 13 September 2016 doi:10.7326/M15-3118
 
※EA電気鍼治療群では両側のツボ(天枢、腹結、上巨虚)へ針を刺し、腹壁の筋層に届くように垂直に30~70mm挿入した。
 
※1,075人の難治性便秘患者を無作為に2つのグループに分け、半数に腹壁の内側の筋肉層に鍼を刺す正しい治療を、残りの半数に効果がないと考えられる場所に鍼を刺すニセ治療を行なった。鍼師が両グループに1回30分の「正しい治療」「ニセ治療」を8週間にわたり計28回行なった。 その結果、正しい治療を受けたグループでは31%の便秘が治り、ニセ治療グループでは便秘が治ったのは12%だった。この効果はさらに続き、12週間後に追跡調査すると、正しい治療グループでは便秘が治った人は38%に増えていた(ニセ治療グループでは14%)。対照群に比べ、治った人が約2.6~2.7倍多く、統計学的に効果があることが立証された。
 
 
2020年6月17日
『エビデンス・ベースド・コンプリメンタリー・オルタナティブ・メディスン』
「機能性便秘のマネージメントにおける鍼の効果:システマティックレビューとメタアナリシス」
The Effectiveness of Acupuncture in Management of Functional Constipation: A Systematic Review and Meta-Analysis
Lu Wang,et al.
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine
Volume 2020 |Article ID 6137450 | 17 pages
(全文オープンアクセス)
 
 
以下、引用。
 
【結論】現在のエビデンスは鍼が機能性便秘の治療に効果的であることを示唆している。鍼は便の頻度を増やし、便の形成を改善し、便秘症状を和らげてQOLを改善する。しかしながらエビデンスの質は比較的に低く、鍼と薬物の関係は不明瞭である。
 
 
 

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