チベット伝統医学と蔵医とインド国立チベット医学研究所

2019年11月25日
「蔵医(チベット医学)が世界文化遺産に申請され、インドと中国はまた争う」
藏醫申請列世界文化遺產 印度中國又鬧僵

インドのダラムサラに1961年にダライ・ラマのチベット亡命政府が創ったメンツィーカン(チベット医学暦法研究所)一方で中国のチベット自治区には、かつてダライ・ラマの住んでいたポタラ宮に西藏藏医学院の蔵医があります。現在のチベット自治区はチベット伝統文化とチベット仏教、チベット語に対してひどい政策が行われ、チベット仏教の僧侶たちは焼身自殺しています。チベットの僧侶たちを焼身自殺に追い込んだ中国・共産党のチベット担当者だった陳全国という習近平主席の側近は、現在、新疆ウイグル自治区でウイグル文化絶滅政策を担当しています。ウイグル伝統医学の伝承者たちは殺されました。ウイグル伝統医学には鍼灸もありました。

2019年6月19日『WEB論座』
「新疆ウイグル自治区を『収容所群島』に変えた能吏 陳全国の人物像に迫る」
https://webronza.asahi.com/poli…/articles/2019061700004.html

2017年3月、中国は蔵医のチベット式薬浴法を『中医学の一部としての蔵医』として世界無形文化遺産として申請しています。これは、観光客向けのパフォーマンスです。

2017年4月、インドの伝統医学省が「インドの国益のために」チベット伝統医学をユネスコ無形文化遺産として申請しました。

ダライ・ラマ14世は、チベット伝統医学はアーユルヴェーダと融合すべきだと発言しました。

2019年7月20日『タイムズ・オブ・インディア』
「アーユルヴェーダとチベット医学を統合しよう:ダライ・ラマ」
Integrate Tibetan Medicine with Ayurveda : The Dalai Lama
http://www.uniindia.com/integrate-tibetan-me…/…/1672119.html

そして、インド伝統医学省は2019年11月20日にインド、元ジャンムー・カシミール州ラダックの中心都市、レーに国立チベット医学(ソワ・リグパ)研究所の設立を決定しました。

2019年11月21日『ビジネス・スタンダード』
「(インドのモディ内閣は)国立チベット医学ソワグリパ研究所をレーに設立する」
Cabinet okays setting up of National Institute for Sowa-Rigpa in Leh
https://www.business-standard.com/…/cabinet-approves-establ…

2019年8月、インドのモディ政権はパキスタンとの紛争のあと、ジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪しインド連邦直轄領としました。インド=パキスタンのジャンムー・カシミール紛争の中で、国立チベット医学研究所が生まれたため前途多難ですが、おそらく数十年の苦難に耐えてきた亡命チベット人たちにとっては大チャンスだと思います。本物のチベット伝統医学が未来に残って欲しいと思います。

伝統医学は政治と宗教に触れることなしに語る方法はありません。チベット伝統医学も例外ではありません。

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