鬱証と督脈・足太陽膀胱経

2008年「推拿手法による督脈と足太陽膀胱経の疏理による鬱証治療の体得」
推拿手法疏理督脉和足太阳膀胱经治疗郁证体会
赵艳
《中国中医药信息杂志》 2008年10期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-XXYY200810046.htm


以前から中国でも推拿を使う中医師の先生は触診技術が高いので、治療技術の低下が甚だしい中国でも、例外的に技術レベルが高いと感じていました。その判断は正しかったようです。

以下、引用。

鬱証は中医学の臓躁、梅核気、奔豚気のカテゴリーに属している。

これらの患者では明確な器質的病変は発見されないため、通常では自律神経失調症、神経衰弱、不安症、うつ病、更年期症候群、ヒステリーなどと診断されているが、治療効果はよくない。

中医師は一般に鬱証という診断をもとに、疏肝理脾、健脾和胃、化痰滌飲、理気解欝、活血化瘀 、益気養陰、補心安神などの治法で湯液や中成薬を用いているが、効果は長持ちせず、あるいは効果がない。

筆者は患者の複雑な臨床症状や寒熱や陰陽不和などから督脈と太陽経の不利と弁証して、推拿手法で督脈と足太陽膀胱経を通じさせる治療法で予想外に良い効果をあげている。

海南省東方市中医院の主任医師である趙艷先生の論文を読んで本当に驚きました。自分が書いたのかと一瞬、思ったほど、意見が一致しています。

推拿手法は一指禅推法、按揉法、点法、掌按法、提捏法、掌推法、擦法です。推拿の手法の表現のほうが、音楽の楽譜のように再現できます。

長強から大椎、その両側の膀胱経を通じさせ、注意して指圧し、圧痛点をさがして、重ねて点法・揉法・按法すると患者に酸をともなわないゲップが生じ、圧痛点に手法し続けて圧痛点が解消されてくるとゲップや患者の胸中の膨満感が消えて非常に気持ちよい感覚となる。

やはり、圧痛をよく触診して観察している先生は凄いです。

この論文の1年前に南京中医薬大学、澄江鍼灸学派伝承工作室の張建斌先生が王怜冷先生と督脈と鬱証について書かれています。

2007年「うつ病患者の督脈の脊柱圧痛点の分布の臨床研究」
抑郁症患者督脉脊柱段压痛点分布的临床研究
张建斌 王玲玲
《江苏中医药》 2007年03期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-JSZY200703013.htm

观察和研究抑郁症与督脉、督脉腧穴的相关性。方法:运用压痛点检查法,检查和记录抑郁症患者督脉脊柱段压痛点的出现频率、分布规律,并探讨抑郁症与督脉及督脉腧穴之间的关系。结果:在抑郁症患者中,约有80%以上者可能在督脉脊柱段出现压痛点,多数患者可能出现2~6个压痛点,压痛点的分布主要集中在身柱穴到至阳穴的区域中。结论:抑郁症与督脉有密切的相关性,并且可以体现在特定区域的腧穴上。

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