がんサバイバーの鍼

2021年3月18日『メドページトゥデイ』
「鍼はがんサバイバーの疼痛の通常ケアで最も良いー2つのタイプの鍼が使われ、電気鍼は耳鍼よりも優れていた」
Acupuncture Tops Usual Care for Pain in Cancer Survivors
— Two types of acupuncture proved superior, with one better than the other
 
 
 
2021年3月18日『アメリカ医師会雑誌(JAMA)腫瘍学』
「がんサバイバーの筋骨格慢性疼痛への通常ケアvs電気鍼または耳鍼の効果ーPEACEランダム化比較試験」
Effectiveness of Electroacupuncture or Auricular Acupuncture vs Usual Care for Chronic Musculoskeletal Pain Among Cancer Survivors
The PEACE Randomized Clinical Trial
Jun J. Mao, et al.
JAMA Oncol.
Published online March 18, 2021. doi:10.1001/jamaoncol.2021.0310
 
 
 
アメリカの有名なスローン・ケッタリング記念がんセンターのジュン・マオ先生の研究です。
この実験のプロトコルは以下になります。
 
 
2020年5月「個別化された電気鍼Vs耳鍼の効果比較(PEACE):がんサバイバーの慢性筋骨格疼痛のランダム化比較試験のプロトコル」
Personalized electro-acupuncture versus auricular-acupuncture comparative effectiveness (PEACE): A protocol of a randomized controlled trial for chronic musculoskeletal pain in cancer survivors
Kevin T. Liou et al.
Medicine (Baltimore). 2020 May 22; 99(21): e20085
 
 
360人の患者が電気鍼、耳鍼、通常ケアに割り付けられ、ベースラインから12週で評価されました。電気鍼は局所4箇所プラス遠隔4箇所の30分間です。耳鍼はバトルフィールド・アキュパンクチャー(戦場鍼)です。以下、引用。
 
耳鍼のプロトコルはしばしば戦場鍼と呼ばれて標準化されている。最初は一方の耳の帯状回という耳穴に刺し、患者に1分間歩かせる。もし疼痛が残っていたら反対側の帯状回に刺す。このプロセスを耳穴「視床」「オメガ2」「ポイント・ゼロ」「神門」で繰り返す。
 
有害事象は両方の鍼グループに弱い、または中程度で見られた。内出血は電気鍼グループで最も多く(10.3%)、耳の痛みは耳鍼グループで最も多かった(18.9%)。
 
 
アメリカの360人規模のがんサバイバーの疼痛の鍼のランダム化比較試験は、電気鍼と耳鍼の比較という「どの鍼が効果的なのか」という段階です。どちらも通常ケアよりも優れていました。
 
臨床家の目線から言うと、電気鍼はかなり過剰刺激に近いし、耳鍼もラファエル・ノジェ先生の繊細なフランス式耳鍼と比較すると、アメリカ式のバトルフィールド・アキュパンクチャーはかなり粗っぽいです。
 
 
 

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