欧米の慢性疼痛治療のスタンダード

2021年4月7日 イギリス国立医療技術評価機構(NICE)
「NICEは慢性疼痛の人々とヘルスケア・プロフェッショナルに有効な治療を呼びかける」
NICE recommends range of effective treatments for people with chronic primary pain and calls on healthcare professionals to recognise and treat a person’s pain as valid and unique to them

以下、引用。

慢性疼痛に対してエクササイズ運動プログラムや精神医学的認知行動療法CBTやアクセプタンス・アンド・コミットメント・セラピーACTが推奨される。鍼もオプションとして推奨される。

慢性疼痛の人々は、一般的なパラセタモール(アセトアミノフェン)やNSAID、ベンゾジアゼピンやオピオイドを飲むべきではない。これらの薬は慢性疼痛の人のQOLを改善するというエビデンスはまったく存在せず、有害で依存症になる。

これがイギリス政府の英国国立医療技術評価機構NICEの臨床ガイドラインです。日本の慢性疼痛のガイドラインとは180度違う内容であることをどう説明したら良いのでしょうか。イギリスの臨床ガイドラインも抗うつ薬のエビデンスについてはもう少し検討すべきだと思いますが。

アメリカ内科医師会(ACP)が出版した腰痛ガイドラインも認知行動療法やエクササイズ運動療法や鍼を推奨し、薬物療法には全く効果がないと指摘しています。

日本のEBМ派、科学派の医師や理学療法士(PT)の先生方は、後進に日本の臨床ガイドラインと世界の臨床ガイドラインとの齟齬についてどう説明されているのでしょうか。

 

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