西医結合診療ガイドライン:良性前立腺肥大症

2017年「良性前立腺肥大の中西医結合診療ガイドライン」
良性前列腺增生中西医结合诊疗指南(试行版)
孙自学 宋春生 邢俊平 毛向明 李湛民 郝高利
《中华男科学杂志》 2017年03期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-NKXB201703024.htm
http://www.pubmedchina.com/…/Jia…/pdffulltext/1527038480.pdf


中国では「中西医結合診療ガイドライン」が試行版とはいえ、次々と作成されています。良性前立腺肥大(BPH) では関元(CV4)、腎兪(BL23)の補法、中極(CV3)、次りょう(BL32)、秩辺(BL54)、膀胱兪(BL28)の瀉法、艾灸で温補陽気・活血通絡することが推奨されています。 これは確かにスタンダードな治療法であると感じます。

弁証では、
1.腎気虧虚
2.中気下陥
3.気滞血瘀
4.湿熱蘊結
などの基本の証については、詳しい症候と脈診・舌診、漢方処方が挙げられていました。

2017年4月4日『プロスワン』北京、中国医学研究所
「良性前立腺肥大症への鍼:システマティックレビューとメタ・アナリシス」
Acupuncture for benign prostatic hyperplasia: A systematic review and meta-analysis
Wei Zhang , Liyan Ma , Brent A. Bauer, Zhishun Liu, Yao Lu
PLoS One. 2017 Apr 4;12(4):e0174586.
Published: April 4, 2017
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28376120
http://journals.plos.org/plosone/article…

661人を対象とした8つの臨床試験を分析しました。

以下、引用。

【結論】統計的に顕著な変化が、中程度から重症の前立腺肥大における鍼のエンドポイントで短期に観察された。しかしながら、臨床的に鍼によってその結果が達成されたのかは不明瞭である(注:αブロッカーのような薬物療法と併用しているため)。われわれは、未来においては真鍼と偽鍼を前立腺肥大に特化したツボや鍼のタイプ合理的な方法で評価する研究を推奨する。

【ディスカッション】

普通の経穴や非経穴よりも特定のツボが有効である。それは動物実験モデルでも示されている。このツボは、中医学の原則では人体のほかの部位よりも効果的であるとされている。仙骨エリアのツボは、他のエリアのツボよりはわれわれの分析によれば違いが存在している。仙骨の解剖学的特徴を考慮すると、多くのツボは仙骨部位にあり、長い鍼で深く挿入することが考慮されている。動物実験では脊髄損傷後の尿貯留では下リョウ(BL34)のツボに深く刺すことが他の鍼よりも効果がある。

前立腺肥大症に対する鍼灸治療では北小路先生の中りょう(BL33)研究が有名です。

「前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する鍼治療 」
北小路 博司, et al.
全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 43 (1993) No. 3 109-114
https://www.jstage.jst.go.jp/arti…/jjsam1981/…/43_3_109/_pdf

前立腺肥大症1期に鍼すると、鍼している間は夜間頻尿の症状がマシになります。

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