COVID19の空気感染

 
2021年5月14日科学雑誌『サイエンス』
「屋内での呼吸器疾患と闘うためのパラダイムシフト」
Lidia Morawska et al.
Science 14 May 2021:
Vol. 372, Issue 6543, pp. 689-691
 
 
 
2021年4月からの流れを以下に記述します。
 
 
2021年4月14日、『英国医師会雑誌(BМJ)』に「Covid-19は空気感染を再定義する」という論文が掲載されています。
 
2021年4月28日、『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』に「Covid19による屋内の空気感染を制限するためのガイドライン」という論文が掲載され、6フィートのソーシャル・ディスタンスに意味がないことが指摘されます。
 
2021年4月30日、WHOは新型コロナウイルスが空気感染する可能性をウェブサイトに記載しました。
 
 
2021/05/15 『フォーブス』
「新型コロナ空気感染の可能性、WHOが認める ウェブサイトに記載」
 
 
2021年5月1日、『ランセット』が「Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2(新型コロナウイルスCOVID19の空気感染をサポートする10の科学的理由)」という論文を掲載します。
 
2021年5月7日、CDC(アメリカ疾病対策センター)がガイドラインにエアロゾル感染を明記し、2メートル以上の距離でも感染すると変更しました。
 
Scientific Brief: SARS-CoV-2 Transmission
Updated May 7, 2021
 
 
2021年5月14日、科学雑誌『サイエンス』がクイーンズランド工科大学のリディア・モラウスカ教授による「屋内での呼吸器疾患と闘うためのパラダイムシフト」という論文を掲載しました。
 
もともと2020年9月にリディア・モラウスカ教授が、屋内のCOVID19空気感染の論文を物理学系学術雑誌に発表していました。
 
 
2020年9月「いかにして屋内のCovid-19の空気感染を最小化するのか?」
How can airborne transmission of COVID-19 indoors be minimised?
Lidia Morawska
Environment International
Volume 142, September 2020, 105832
 
 
2020年9月18日、CDCは「新型コロナウイルスは空気感染する」とウェブサイトで発表し、一日で撤回されます。
 
2020年10月5日、CDCは再び「新型コロナウイルスは時々空気感染する」と発表しました。二転三転です。
 
2021年5月22日、『ブルームバーグ』は「COVIDの空気感染の恐れが確定した。何をなすべきか」を掲載しました。
 
 
2021年5月22日『ブルームバーグ』
「COVIDの空気感染の恐れが確定した。何をなすべきか」
The Airborne Covid Threat Is Confirmed. What to Do About It?
 
(閉鎖空間の)屋内ではこれらのパーティクルは6フィート(182cm)以上のソーシャル・ディスタンスをとっていても(マスクをかけていても)感染する。
 
 
 
日本では「マスクをかけていたら濃厚接触者・感染疑いではない」という判断がなされているのが現状です。これは飛沫感染ドグマによるものです。
 
 
屋内レストランは、食事をしていない時はマスクをかければ安全とか、テーブルに半透明のアクリル板を置いたら安全とはみなされない。
 
 
 
マスク会食やテーブルの上のアクリル板ついたては飛沫感染ドグマによるものであり、空気感染の視点からは安全対策にはなっておらず、誤ったメッセージとなります。
 
 
人々がオフィスに戻った国では、表面消毒よりも換気に高い優先順位が置かれるべきである。
 
 
 
空気感染を認めたことで、飲食店は客が入れ替わるたびに消毒するよりも換気に注意すべきであると推奨が変化します。ただ、問題点は、ビルの中の換気は改修コストが高額になります。この情報は中小の飲食店や街のレストランにとっては朗報ですが、大資本にとっては不利な情報です。
 
既に日本の一般市民は行動変容を起こしており、一般市民は空気感染に認識が変わってもあまり変化はありません。変化すべきなのは、為政者・医療関係者・メディア関係者の行動と倫理です。
 
 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする