岡田式静座法と静座社

吉開菜央個展「呼吸する部屋」予告編/Nao Yoshigai “Breathing Room” Trailer

2017年映画『静座社』は吉開菜央監督の映画です。大正時代、岡田虎次郎先生の『岡田式呼吸法』が1911年頃に大ブームを起こしました。しかし、岡田虎次郎先生の急死により、一時的に衰退します。済生病院の院長であった小林信三郎が「岡田式静坐法」を治療に取り入れて『自然の神秘(1924)』などを書きます。
 
小林信三郎が亡くなり、夫人の小林信子さんが1927年に静坐社を京都につくり、2007年まで80年間も雑誌『静坐』を発行し続けます。この静坐社が京都における文化サロンとなります。特に、世界に禅をひろめた鈴木大拙と奥さんの鈴木ベアトリス・レーンは静坐社と交流しました。
 
インド独立運動の闘士であり、インテグラル・ヨーガの創始者オーロビントとその妻のミラ・リシャールはインド・タミルナドゥ州ポンディシェリで1926年からオーロヴィルという芸術家コミューンを創りました。
 
ミラ・リシャールは大変な人物で、1924年のチベットでヨーガを学んだアレクサンドリア・デヴィド・ニールやマックス・テオンに神秘主義哲学を学びます。
 
ミラ・リシャールと静坐社の小林信子は濃密な交流がありました。近代ヨーガの成立の歴史を追いかける過程でミラ・リシャール、オーロビント、鈴木大拙、ベアトリス・レーン・スズキの交流の結節点となった京都の静坐社の存在を知りました。
 
大正時代に岡田虎次郎の岡田式静坐法は大ブームを起こし、済生病院の小林信三郎に取り入れられました。大正時代のマインドフルネス瞑想です。
 
静坐社の家屋が取り壊される時に、ダンサーであり映画監督である吉開菜央さんが記憶をイメージした映画が『静坐社』であり、”Breathing Room”は、そのダイジェストの映像作品です。美しい芸術的イメージが印象的です。
 
 
 

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