ハイジーン・テアトル

2021年7月12日 イギリスの新聞『ガーディアン』
『ハイジーン・テアトル(衛生劇場):いかにして過剰な消毒が安全感覚を偽っているのか』
 
 
COVID19は空気感染が主な感染症である。われわれの終わりなき感染防御と手洗いは何が目的なのか。それは無意味よりも悪いものではないか。
 
 
私個人は毎日、頻回に手洗いし、手指をアルコール消毒し、ソーシャル・ディスタンスを実行し、頻繁に換気して、さらにワクチンを2回接種済みと「ハイジーン・テアトル」を実行しています。ハイジーン・テアトル(衛生劇場)とは「コロナ対策をやってます感のために、他人に見せる行動」のことです。
 
以下、引用。
 
ハイジーン・テアトルとは、雑誌『アトランティック』のライターであるデレク・トンプソンが2020年6月のエッセイで最初に使った。彼はハイジーン・テアトルをわれわれがCOVID安全プロトコルを順守しているようでいて、実は危険なアクティビティを許容していることだと定義している。
 
ハイジーン・テアトルとは、周りの人が吐いた息の中の感染性の空気を防御出来ないプラスティック・フェイス・バイザーのことである。または、テーブルの間の衝立と、使い捨ての食器とメニューのあるレストランのことである。または、スタッフがパブ酒場の触れた部分を神経質に消毒することである。
 
全てすごく頑張っているがほとんど効果はなく、われわれを安全に感じさせてくれるが、実際にはCOVID19から守ることはできないのである。
 
2020年2月から3月の恐怖に満ちた日々、多くの専門家やヘルスケアの権威たちは、最初にCOVID19は飛沫感染だと信じていた。これで失われたのはCOVID19の空気感染の認識だった。
 
ハイジーン・テアトルは人々を「偽の安全感覚」の中に寝かしつける。感染防疫学者のピータースは言う。「レストランではいかに多くの消毒液が置いてあるかよりも、レストランがいかに空気を換気しているのかに注目すべきだ。人々はハイジーン・テアトルをやり続ける。なぜなら自己満足でとても気分が良くなるからだ。全てを拭いたところで何一つ変わらないことなんて知っていても、安全な感じがする。完全に非論理的だが心の平和が得られる」
 
飛沫感染パラダイムで、飲食店にアクリル板の衝立やプラスティック・フェイス・シールド、テーブルの頻回消毒を推奨し、ようやく日本で定着して来たところで「すみません。COVID19は空気感染が中心なので、テーブルの消毒よりも換気の方が大切みたいです」と言ったら、ものすごく批判され、嫌われると思います。
 
しかし、それが科学的に感染防御に役立ち、最終的に飲食店の方々や一般市民の生命と健康を守るなら、医療関係者が倫理的にやるべきことは決まっていると個人的には思います。エビデンスが強くなればすぐに自説を覆す、自信と信念のない日和見主義なので、空気感染学説にすぐに飛びつく事ができます!
 
 
 

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