キネシオテーピング

 
 
2021年7月26日『トゥデイ』
「オリンピック選手がつけている『奇妙なテープ』は何ですか?」
 
 
以下、引用。
 
現在、キネシオ・テープが実際に機能することを示す研究はあまりないが、アスリートがそれが役に立つと信じているなら、それだけで十分かもしれない。それはプラセボ効果の一例である可能性がある。
 
 
スポーツ医学、筋骨格系疾患のEBМを5年ほど前に総合的に調査したことがあります。アイシングやRICE処置の神話がちょうど崩壊したころです。
 
今では誰もが知るようになりましたが、ストレッチングにはスポーツ障害の予防効果エビデンスは存在しませんし、テーピングにもスポーツ障害の予防効果のエビデンスは存在しません。
 
そして、キネシオ・テーピングも現時点ではエビデンスは存在しません。
 
キネシオテーピングは、1980年に日本の加瀬建造先生が開発した日本発の治療法です。 加瀬建造先生は1974年、アメリカ・シカゴの名門ナショナル大学でドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C)の資格を取り、ニューメキシコ州でカイロプラクティックのクリニックを経営、1980年にキネシオ・テーピングを発表しました。 1982年には日本の鍼灸師・按摩マッサージ指圧師の国家資格も取得されています。
 
1980年から早くもファッシャに注目してきたことや、皮膚テーピングという革命的方法を創案したことは加瀬建造先生の業績であり、鍼灸マッサージ業界の大先輩としてリスペクトしています。
 
特に加瀬建造著『まちがった健康法 ストレッチングは危ない』(2006年)は、私に初めて予防的ストレッチへの疑問を感じさせてくれました。
 

 
 
2012年と2013年に初期のシステマティックレビューが発表されていますが、いずれもキネシオテーピングの効果に否定的です。
 
 
「筋骨格損傷へのキネシオテーピングの効果のシステマティックレビュー」
A Systematic Review of the Effectiveness of Kinesio Taping for Musculoskeletal Injury
Mehran Mostafavifar et al.
The Physician and Sportsmedicine
Volume 40, 2012 – Issue 4
 
このレビューは、筋骨格障害へのキネシオテーピング使用を支持するには不十分なエビデンスを発見した。
 
 
2013年5月「キネシオテーピングの臨床効果:システマティックレビュー」
The clinical effects of Kinesio® Tex taping: A systematic review
D Morris et al.
Physiother Theory Pract. 2013 May;29(4):259-70. doi: 10.3109/09593985.2012.731675. Epub 2012 Oct 22.
 
現在、キネシオテープの使用を支持するエビデンスは不十分である。
 
 
 
2015年『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン』
「筋骨格疾患と障害への4週間以上のキネシオテーピング:テープをはがして汗と一緒に捨ててしまうべき時なのか?:疼痛に焦点を当てたシステマティックレビューとメタアナリシス」
Kinesio taping in musculoskeletal pain and disability that lasts for more than 4 weeks: is it time to peel off the tape and throw it out with the sweat? A systematic review with meta-analysis focused on pain and also methods of tape application
Edwin Choon Wyn Lim
British Journal of Sport Medicine Volume 49, Issue 24
 
 
2015年のシンガポールによるシステマティックレビューは辛辣です。
 
 
2020年「肩障害のキネシオテーピングの臨床効果:システマティックレビューとメタアナリシス」
The clinical efficacy of kinesio taping in shoulder disorders: a systematic review and meta analysis
Derya Celik et al.Clin Rehabil. 2020 Jun;34(6):723-740. doi: 10.1177/0269215520917747. Epub 2020 May 12.
 
肩障害のキネシオテーピングには、いかなる効果のエビデンスも存在しない。
 
 
2020年「変形性膝関節症の患者の皮膚テープの効果:システマティクレビューとメタアナリシス」
Effectiveness of Elastic Taping in Patients With Knee Osteoarthritis:A Systematic Review and Meta-Analysis
Ye, Wenwen et al.
Am J Phys Med Rehabil. 2020 Jun;99(6):495-503.
 
現在のエビデンスは、変形性ひざ関節症の皮膚テープの効果について結論を描くには不十分である。
 
 
 
2020年「キネシオテーピングは足首の障害がある、あるいは無い人々の足首の機能やパフォーマンスを改善しない:システマティックレビューとメタアナリシス」
Kinesio taping does not improve ankle functional or performance in people with or without ankle injuries: Systematic review and meta-analysis
Show all authors
Guilherme S Nunes et al.
Clinical Rehabilitation First Published October 20, 2020
 
【結論】現在のエビデンスは、足首の機能改善のためのキネシオテーピング使用を支持できない。
 
 
スポーツパフォーマンスに関しても、2018年にシステマティックレビューが発表されています。
 
 
2018年「アスリートのスポーツ・パフォーマンスにおけるキネシオ・テーピングの効果:システマティックレビュー」
Effectiveness of kinesiology tape on sports performance abilities in athletes: A systematic review
Jennifer C Reneker
Phys Ther Sport. 2018 May;31:83-98.
 
【結論】アスリートのスポーツパフォーマンスを強めるというキネシオ・テーピングの使用を支持するエビデンスは存在しない。
 
 
2015年頃から、スポーツ医学や理学療法の世界で流通している言説をEBМの視点から検討したところ、驚愕の連続でした。本当のことを知ったら、学生や初学者の方はかなりショックを受けると思います。権威主義は本当にダメです。
 
 
鍼灸は、『代替医療のトリック』のエッアート・エルンスト教授をはじめ、世界中の科学者たちから、数十年に渡る猛烈な批判を絶え間なく受け続けてサンドバック状態でしたが、それが逆に良かったと思います。
 

 
 

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