知能指数の低下

 
 
2019年5月20日『シンク』
「知能指数IQは多くの先進国で低下しており、人類にとって良い前兆ではない」
 
 
人々はまぬけになりつつある。これは勝手な判断ではなく事実である。先進国で知能指数は低下しはじめている。
 
 
IT時代に先進国の人々のIQは落ち続けています。科学的に確認されたのは2018年です。
 
 
2018年6月14日『CNN』
「知能指数IQスコアは何十年も落ち続けていると新研究は発見した」
IQ scores are falling and have been for decades, new study finds
 
 
2018年6月11日『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』
「フリン効果の逆転は環境によって引き起こされる」
Flynn effect and its reversal are both environmentally caused
View ORCID ProfileBernt Bratsberg and View ORCID ProfileOle Rogeberg
PNAS June 26, 2018 115 (26) 6674-6678;
 
 
 
私が知能指数について勉強した1990年代は、ニュージーランドの心理学者、ジェームズ・フリンの提唱したフリン効果が心理学の世界で流行していました。
 
ジェームズ・フリンは、人類は年々、賢くなっているといいます。『ニューズウィーク日本版』のような一般誌にもフリン効果やジェームズ・フリンのインタビューが載っていたのを覚えています。
 
 
2018年の『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』論文が発表された当時は、フリン効果との矛盾が話題になりました。
 
 
2018年6月15日『ニューズウィーク日本版』
『「人間の知能指数が年々上昇する」というフリン効果は20世紀に終わっていた!?』
 
 
以下、引用。
 
「人間の知能指数(IQ)は年々、上昇し続ける」。この現象はニュージーランドオタゴ大学のジェームズ・フリン教授が1984年の研究論文で初めて示したことから「フリン効果」と呼ばれている。
 
フリン教授はこの研究において「1978年のIQは1932年に比べて13.8ポイント高くなっており、IQは1年あたり0.3ポイント、10年ごとに3ポイント上昇している」と明らかにした。
 
しかしながら近年の研究結果ではフリン効果とは真逆に「年々、IQが低下する」という「負のフリン効果」が示されている。
 
ノルウェーのラグナー・フリッシュセンターの研究プロジェクトは、2018年6月11日、学術雑誌「米国科学アカデミー紀要」において「フリン効果は1970年代半ばにピークに達し、それ以降、明らかにIQが低下している」との研究論文を発表した。
 
この研究プロジェクトでは、1962年から1991年までに生まれたノルウェー男性73万人以上を対象に、徴兵制データから抽出された18歳または19歳時点のIQを分析した。
 
その結果、フリン効果は1975年以後に転換期を迎えたとみられ、IQは世代ごとに7ポイント低くなっているという。
 
 
 
1990年代にフリン効果が流行して、ジェームズ・フリンがメディアの寵児となって富と名声を得て、亡くなる2年前の84歳のときに「フリン効果は間違いで、実際には人類の知能は年々、低下していた」ことが科学的に証明されました。
 
一つの学説が勃興してメディアで流行し、全否定されるまでの過程を目の前でみることができたのは稀有な経験だと思いました。
 

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