耳閉塞感

 
 
耳閉塞感を感じて耳鼻科を受診しました。
わたしはまずは西洋医学の標準治療を受けることにしています。
 
耳垢栓塞もなく聴力も正常、骨伝導も正常、耳鼻科医さんは良い先生ですが、「検査結果と矛盾している」とおっしゃっていました。
 
東洋医学における耳脹です。
 
 
隋代、『諸病源候論』巻二十九に耳病諸候、「耳風聾」があります。
「足少陰腎経は宗脈の集まるところであり、その気は耳に通じている。腎経の脈が虚すると風邪がそれに乗じて風が耳に入り、気がふさがって、のびなくなり、風聾となる」と論じています。
 
二、耳风聋候
足少阴,肾之经,宗脉之所聚,其气通于耳。其经脉虚,风邪乘之,风入于耳之脉,使经气痞塞不宣,故为风聋。
《诸病源候论·卷二十九》耳病诸候http://www.zysj.com.cn/…/zhubingyuanhoulun/623-33-2.html
 
 
明代、『医林縄墨』に「耳閉とは少陽三焦経の気がふさがるからである」と論じられています。
 
 
明代《医林绳墨·卷七》
“耳闭者,乃属少阳三焦之经气之闭也”。
 
 
実際には耳は臓では腎臓と関係が深く、経絡では手少陽三焦経の「耳門」、手太陽小腸経の「聴宮」、足少陽胆経の「聴会」が流注しています。
 
 
西洋医学的には以下の論文が勉強になりました。
 
 
2012年「耳閉塞感の臨床的な出現」
Clinical Manifestations of Aural Fullness
Moon Suh Park,et al.
Yonsei Med J. 2012 Sep 1; 53(5): 985–991.
Published online 2012 Jul 25.
 
 
韓国の432人の耳閉塞感患者さんの調査です。
432人の患者のうち14人(3.2%)が鼻咽頭癌と診断されました。100人中の3.2人なら、まずは西洋医学の耳鼻科を受診していただくのが妥当です。鼻づまり、鼻出血、鼻漏、頭痛などの症状が随伴していました。
 
論文著者は鼻咽頭癌は10万人中一人未満の確率なのに関わらず、耳閉塞感の3.2%が鼻咽頭癌であったことに注意を促し、「最終的に鼻咽頭がんと診断されるまでに時間がかかった。耳閉塞感は単純な耳科学的症状としてのみ考えられていたため、内視鏡検査および組織学的検査の欠如が鼻咽頭がんの診断を遅らせた可能性がある。したがって、耳閉塞感は単純な耳科学的症状と見なされるべきではなく、他の付随する症状とともに注意深く検査されるべきである」と指摘しています。
 
432人の耳閉塞感患者さんの23.9パーセントが耳管機能障害と診断されました。
耳管機能障害とは耳管開放症、耳管閉塞症、耳管炎などです。
 
 

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