明代の医書『済陰綱目』 脾は統血を主る、血海

 
明代、武之望
『済陰綱目』
二巻、血崩門治崩漏気陥
【女子の崩漏悪血を治療する】
 
月経が不調で、崩漏(ほうろう=子宮不正出血)が止まらず、水のような液体を多く下すのは飲食不節のためである。あるいは労損で身体を傷め、あるいは素より心気不足、飲酒勞倦のため、心火が脾胃に乗じて起こる。その人は必ず怠惰で眠く、四肢が収まらず、倦怠無力であり、気がなく、呼吸が短く、上気し、逆気が上衝し、その脈は緩脈で弦急であり、按じれば洪大脈である。脾土が邪氣を受けたものである。脾臓は全身の栄養と滋養を主り、心は血を主り、血は脈を主る。心脾の二つが邪氣を受けると病気は脈にある。脈は血の府であり、脈は人の神である。心が命令を下さないなら、心包絡が変わりにこれを受ける。故に心脈は、心系を属するを主り、包絡は命門の脈であり、月経を主る。ゆえに脾胃虚なら、心包がこれに乗じて、ゆえに月経は崩漏となり、不調となる。脾胃は気血陰陽の根っこであり、湿を除き熱を去り、風気上昇をまして、その湿に勝つ。または、火鬱ならこれを発するという。
 
灸では、足太陰脾経の血海(SP10)に二七壮または三七壮すれば、癒える。
 
 
武之望先生は、まさに『済陰綱目』で「血は脾に生じ、ゆえに脾は血を統する」と論じました。
崩漏(女性の子宮からの不正出血)に脾経の血海(SP10)の灸というのは、勉強になりました。
 

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