臓腑弁証と鍼灸配穴

 
 
2021年3月天津中医薬大学
「ネットワーク分析に基づく『千金方』の臓腑弁証配穴のルールの研究」
基于网络分析的《千金方》脏腑辨证配穴规律研究
樊晓靖石锦杨栋婷卞也王立存
天津中医药 2021年03期
 
 
わたしが先祖代々の中医の先生に学んだのは「臓腑病の場合、例えば、肺病に肺経は使うと逆に悪化することがある」ということです。
 
 
例えば、鍼灸初学者の学生がよくやるミスとして、カゼをひいて、肺経を刺して悪化させるという現象があります。
 
これは、例えば、夏バテ・秋バテの虚証から風寒が入ったという虚実夾雑証の場合です。
ベテランの先生は、普通は膀胱経の風門や胆経・陽維脈の風池、督脈の大椎を使います。
または、夏バテで冷たいものを飲みすぎなら、神闕の塩灸で胃腸を温めて夏風邪を治します。いきなり肺経を使うのは初心者だと思います。その直接的なやり方は淘汰されるので、長続きはしないはずです。
 
 
これは臓腑病の全般にみられる現象です。
更年期の不定愁訴症候群は肝血虚からの肝鬱気滞がある場合が多いですが、初学者ほど肝経の太衝を瀉法します。慢性病の虚証中心の肝が弱っている人に瀉法をするわけなので悪化することもあります。
 
戦争でも、魏から趙の首都・邯鄲に攻撃があった場合、趙が斉に援軍を求めました。
斉が趙で魏と交戦すれば、すでに弱って虚証となっている趙の国は破壊されます。
趙の国で待ち構えている魏軍が絶対に有利です。
 
このとき、斉の将軍、孫臏は趙に向かわずに、敵国・魏の首都を包囲・攻撃します。
急いで自国に戻ろうとする魏軍を趙と魏の間で待ち、自分に有利な時間と空間で魏軍を大破しました。
 
これは中国の兵法書『兵法三十六計』に掲載されている故事です。
つまり、肝が弱って虚証となり、しかも敵である邪(魏)が趙の首都・邯鄲=肝臓に入り込んでいる実証です。
 
肝の虚実夾雑証に肝経の太衝を瀉法することは初学者のやることであり、少なくとも孫子はやりません。五行を使った治療法はこのためにあります。
 
「【肺ー大腸病症】太渓、天突、章門、肺兪、巨闕」
肺-大肠病症的高频腧穴为太溪、天突、章门、肺俞、巨阙
 
「【肺ー大腸病症】太渓、中脘、厲兌、天容、尺沢、肺兪、章門、天突、雲門、風門、然谷」
《千金方》治疗肺-大肠病症的核心穴位处方为太溪、中脘、厉兑、天容、尺泽、肺俞、章门、天突、云门、风门、然谷
 
「【心ー小腸病症】間使、巨闕、水溝、曲泉、大陵」
治疗心-小肠病症的高频腧穴为间使、巨阙、水沟、曲泉、大陵
 
「【心ー小腸病症】」肝兪、陽陵泉、曲泉、支溝、百会、間使、心兪、合谷、腎兪、風池。
疗心-小肠病症的核心穴位处方为肝俞、阳陵泉、曲泉、支沟、百会、间使、心俞、合谷、肾俞、风池
 
 

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