2021年 鍼と炎症研究の到達点

 
 
2021年12月21日天津中医薬大学
「神経免疫調節を介した鍼治療の抗炎症作用と鍼治療のメカニズム」
The Anti-Inflammatory Actions and Mechanisms of Acupuncture from Acupoint to Target Organs via Neuro-Immune Regulation
Li N et al.
Journal of Inflammation Research Volume 14
21 December 2021 Volume 2021:14 Pages 7191—7224
 
 
以下、引用。
 
過去5年間の複数の研究により、炎症の調節と免疫過剰反応の防止が多くの疾患における鍼治療による抗炎症作用を調節する重要な原則であることが明らかになった。
 
内在性カンナビノイドシステムは、急性炎症性疼痛を標的とする鍼治療の鎮痛および抗炎症効果に関与している。
 
2000年以前は、鍼治療の抗炎症反応は体液性調節によって実現されると一般に信じられていた。近年、コリン性抗炎症回路によって媒介される鍼治療の抗炎症効果は、さまざまなモデルで世界的に認められている。鍼治療は迷走神経を調節し、コリン性抗炎症回路、または迷走神経-副腎髄質-ドーパミン経路を介して抗炎症効果を発揮する。
 
脳腸軸は中枢神経系と腸管神経系の間の双方向経路であり、神経系と免疫系の両方の一部が含まれている。直接的な神経接続とは別に、神経系および消化器系によって分泌される脳腸ペプチドも特定の神経変性疾患および胃腸機能障害の一因となる。鍼治療は脳腸ペプチドを介して腸管に影響を与える。
 
いくつかの研究は、鍼治療の抗炎症効果が腸内細菌叢の調節に関連していることを確認している。
 
四肢領域の遠心性神経は、主にまたは部分的に全身性炎症を抑制する迷走神経遠心性神経を活性化し、腹部および背部領域のツボの遠心性神経は、主に交感神経遠心性神経を活性化する。
強度に関して、低強度の刺激は迷走神経を介して抗炎症作用を発揮する。対照的に、強い刺激は脾臓の交感神経を活性化して炎症に抵抗する。
 
 

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