ロング・コビットと慢性疲労症候群の違い

2022年2月12日 『ニューヨークタイムス』
「これほど気分が悪くなったことはない」:新型コロナ患者はエクササイズと格闘している。専門家は説明するためのいくつかの理論をもっている」
‘I Had Never Felt Worse’: Long Covid Sufferers Are Struggling With Exercise
And experts have some theories as to why.

以下、引用。

医師たちは、ロング・コビット患者たちに運動をアドバイスしたが、多くのロング・コビット患者は運動による悪化を感じた。

幾人かの医師たちは、ロング・コビットと慢性疲労症候群(CFS)、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(CFS/МE)は深刻な疲労、記憶・認知の問題、筋肉痛・関節痛の問題で類似点が多いことを指摘している。何十年も医師たちは、慢性疲労症候群患者にエクササイズは症状を改善するとアドバイスしてきた、しかし、多くのロング・コビット患者は運動で悪化するため、現在では医師たちはもはやエクササイズを推薦していない。

ロング・コビット患者がエアロバイクでエクササイズしたとき、シィストロム博士は静脈と動脈ともに血管が充分に働かないため、酸素が筋肉に充分に運ばれていないことを発見した。

なぜ血管問題が起こるのかはわからないが、シィストロム博士は最近の研究でロング・コビット患者は血管機能に関する神経線維がダメージを受けていることを示唆している。

2021年12月24日 「ポスト急性コビット19感染のマルチシステム」
Multisystem Involvement in Post-Acute Sequelae of Coronavirus Disease 19
Peter Novak MD, PhD
Annals of Neurology Volume91, Issue3 March 2022 Pages 367-379

脳血流障害と小径線維ニューロパシーによる自律神経障害が指摘されています。

コビットによる発汗障害が大きな問題になっています。

2021年1月26日「コビット19の回復における発汗障害」
Sudomotor dysfunction in patients recovered from COVID-19
Anand Hinduja
Neurophysiol Clin. 2021 Mar; 51(2): 193–196.
Published online 2021 Jan 26

以下、引用。

「この研究の強みは、コビット19による発汗障害に関する最初の報告であることである。

この予備的な観察研究は、COVID-19から回復し、外来診療所で見られた患者の25%以上が、一般に自律神経不全を反映する発汗機能障害を持っていたことを明らかにしている。

ロング・コビットにおける筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群との差異、さらに血管障害、発汗障害は大きな問題をもっていると思います。
とくに、寝汗という問題は、東洋医学でもあまりうまく説明できません。未知の領域です。

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