筋筋膜性疼痛

2022年2月12日 「筋筋膜性疼痛」
Myofascial Pain
Bruno Bordoni; Kavin Sugumar; Matthew Varacallo
Last Update: February 12, 2022.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK535344/

以下、引用。

1900年代半ばに、何人かの科学者が生理食塩水などで刺激されると痛みを産生する疼痛エリアを特定した。ジャネット・トラベルがこれらの研究に触発され、リンツアーとともに「筋筋膜性トリガーポイント」という言葉をつくった。

2015年に発表された以下の論文は、歴史的に明快です。

2015年「筋筋膜性疼痛のいままでとこれから:歴史的科学的パースペクティブ」
Myofascial Trigger Points Then and Now: A Historical and Scientific Perspective
Jay P. Shah, MD
PM R. 2015 Jul; 7(7): 746–761.
Published online 2015 Feb 24

以下、引用。

いかなる機械的ー代謝的環境変化も、ヒアルロン酸をより粘性のある細胞外マトリックスに変化させる。これはファッシャが層レイヤーをスライドするのを困難にして、筋収縮をより固くする。ファッシャの神経終末はより粘性があるエリアでストレッチされて活性化し、トリガーポイントを形成する。

これは、ファッシャ筋膜の研究者、ステッコの見解です。

2011年「筋膜性疼痛の病因としてのファッシャのなかのヒアルロン酸」
Hyaluronan within fascia in the etiology of myofascial pain
Carla Stecco 1, R Stern, A Porzionato, V Macchi, S Masiero, A Stecco, R De Caro
Surg Radiol Anat. 2011 Dec;33(10):891-6.

2013年「筋筋膜性疼痛症候群のファッシャル・コンポーネント」
Fascial Components of the Myofascial Pain Syndrome
Antonio Stecco, Marco Gesi, Carla Stecco & Robert Stern
Current Pain and Headache Reports volume 17, Article number: 352 (2013)

イタリア・パトヴァ大学はガリレオ・ガリレイやダンテが教授を務めた大学であり、解剖学教室は観光地になっています。パトヴァ大学・解剖学教授、カーラ・ステッコ先生は世界的なファッシャ研究者であり、お父さんの理学療法士、ルイジ・ステッコ先生は『筋膜マニピュレーション』の著者です。

2016年にカーラ・ステッコ教授は人間のファッシャ組織にカンナビノイド受容体を発見しました。

2020年4月22日、カーラ・ステッコ教授はファッシャにおけるエンドカンノビノイド・システムとヒアルロン酸による細胞外マトリックスの再構成の論文を発表しました。

『筋膜系の機能解剖アトラス 』
Carla Stecco 医歯薬出版 (2018/2/20)

以下、引用。

2017年のデルファイ分析では最低でも二つ、トリガーポイント診断でポジティブであることが提案された。一つは硬結であり、もう一つは過敏スポットと関連痛である。

2015年「筋筋膜性疼痛のいままでとこれから:歴史的科学的パースペクティブ」では、以下のような記述があります。
以下、2015年論文より引用。

現在の筋筋膜性疼痛症候群(МPS)の診断のゴールドスタンダードは、トリガーポイントマニュアルで書かれた身体的特徴である。
1)硬結の触診
2)硬結の中にあるやわらかい圧痛結節
3)持続性圧迫により患者の疼痛が再現されること

固い硬結のなかの柔らかい結節こそがトリガーポイントの特徴だと思います。

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