災害トラウマへのNADAプロトコルとエモーション・フリーダム・テクニック

2022年2月 韓国政府・韓国韓医学振興院公式ホームページ
「災害トラウマの韓医師診療マニュアル」
재난트라우마의 한의사 진료 매뉴얼

韓医師のための「災害トラウマ」の診療ガイドラインに「NADAプロトコル」と「EFTエモーション・フリーダム・テクニック」が掲載されています。

2021年7月から、韓医師によるEFTというツボ・タッピングによる心理療法技術に、韓国では医療保険が支払われることが決定しました。

EFTはアメリカ人のエンジニア、ゲアリー・クレイグが1996年に開発しました。もともとは心理学者の故ロジャー・キャラハン が1980年頃に開発したTFT(思考場療法)をベースにしています。

ロジャー・キャラハンは、水恐怖症のクライアントが「水を見るとミゾオチがむかつく」というので、胃経の四白のツボを叩かせたそうです。すると水恐怖症を克服できたことからTFTをはじめました。

2017年「EFTのPTSD治療への効果:メタアナリシス」
The Effectiveness of Emotional Freedom Techniques in the Treatment of Posttraumatic Stress Disorder: A Meta-Analysis.Sebastian B, et al. Explore (NY). 2017 Jan – Feb.

さらに耳介療法、NADAプロトコルはアメリカ鍼灸です。他流を受け入れる韓医学業界の姿勢は尊敬できます。他流を受け入れることができるのは自分に絶対の自信があるからだと思います。

2021年7月から2022年3月にかけて、韓医師と仲が悪い韓国の西洋医師からは「韓医師のEFTに保険支払いをするのは不適切だ。EFTは韓医学ではなく欧米の心理療法だ」という猛批判がありましたが、韓医師側は英語圏のメタアナリシスを盾に、EBМ政策論争に勝利しました。

また、「IMS・トリガーポイント・ドライニードリングは東洋医学の鍼である」という見解を韓国・最高裁から勝ち取り、さらに「韓国政府保健福祉部(厚生労働省)はコロナ対策で韓医師を差別している」と行政訴訟を起こし、大統領当選人に政治的圧力をかけ、西洋医学業界・韓国政府相手に全方位から韓医学業界を守ろうとしています。

その戦闘的な方向性については議論の余地がありますが、業界を守るために本気で闘っていることは確かです。

韓国の韓医学は韓国社会内で激烈な政治権力闘争を行い、さらに世界で生き残るために努力を継続しています。わたしは韓医学業界の生き残りをかけた本気の努力をリスペクトしており、この姿勢をこそ見習いたいです。

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