磁石療法と手根管症候群とアメリカ整形外科学会

2010年
「手根管症候群への静的磁場療法」
Static magnetic field therapy for carpal tunnel syndrome: a feasibility study.
Colbert AP,et al.
Arch Phys Med Rehabil. 2010 Jul;91(7):1098-104.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3018287/

磁石をツボの大陵(PC7)あたりに貼り、手根管症候群が改善した。
「この研究は、手根管症候群への静的磁石療法の治療可能性を確立した。

磁石療法を真面目に研究した方以外には全く知られていませんが、アメリカ整形外科学会は手根管症候群に対して磁石療法の効果のストロング・エビデンスを認めています。

2016年3月2日
「アメリカ整形外科学会は手根管症候群の診断に多面的アプローチを推奨する」
AAOS recommends a multi-faceted approach to diagnosing carpal tunnel syndrome

アメリカ整形外科学会の「手根管症候群に対する診療ガイドライン」(全部で982ページ!)の408ページに、確かに「マグネット・セラピーはストロング・エビデンス」と書かれています。これは2016年に医学の研究をしていて、ものすごく驚いた出来事として今でも覚えています。

日本には、間中喜雄先生やMP鍼など、補完代替医療分野での磁石療法では世界の最先端で他国にも影響を与え続けてきた歴史があります。

1990年代あたりから急激に学術と臨床のレベルが低下して、日本と世界との乖離が激しくなっている印象があります。

アメリカ整形外科学会は手根管症候群への磁石療法の臨床効果を認めて以来、ずっと磁石療法の機序を調査し続けていますが、メカニズムについてはいまだに不明です。

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