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製薬会社 海外との提携問題

 
2022年12月22日『ダイヤモンド・オンライン』
『株価が冴えない漢方の「ツムラ」、リスクが深刻化する中国事業の中身』
 
 
漢方のツムラは2017年に中国平安保険集団と業務提携し、中国平安保険集団が筆頭株主となりました。
 
記事では業績は悪くないのに株価が下落していることについて言及しています。
 
以下、引用。
株価の上放れが起きない理由はほかでもない。中国リスクが、どう好意的に解釈しても「予見可能」な状態とは言えないからだ。
 
漢方薬の原料生薬のおよそ80%を中国に依存しているツムラにとって、同国政府並びに現地生産者団体との良好な関係の維持は、国内の規制当局とのリレーションシップと双璧をなす最重要な経営課題として、昭和の時代から終始一貫して存在してきた。
1991年に原料生薬の栽培や管理、販売などを行う深せん津村薬業を設立したのを嚆矢に、01年に中国で漢方エキス粉末の製造を行う上海津村製薬を、11年に中国での原料生薬及び飲片(刻み生薬)の統括管理を行う平安津村薬業を立ち上げた。
 
そんなツムラがある意味、中国に“前のめり”になるのは12年、加藤照和氏が6代目社長として就任して以降だ。芳井順一前社長が注力した国内での漢方医学教育の普及と漢方薬のエビデンスの確立に一応の目処が付いたと判断したのだろう。次の成長の糧を米国ではなく、中国の生薬、飲片そして漢方薬と同根の兄弟と言える中成薬市場に求めた。
 
しかし、残念ながらビジネスの大半は付加価値を出しにくい原料生薬の販売となっている。
 
ツムラをリアルに直撃している中国の政治リスクが深刻だ。政治に長けた会社が政治に翻弄されるとは、何とも皮肉な展開である。
 
 
 
ツムラだけでなく、クラシエ(旧カネボウ)も中国・山東省に生薬工場をつくっています。
 
 
2022年8月25日『日本経済新聞』
「クラシエ製薬 中国に漢方薬原料製造の新工場」
 
 
2013年頃から生薬を国産化しようとする流れが日本国内にあります。農林水産省は日本国内での生薬栽培奨励に予算をつけています。
 
2017年にツムラが中国・平安保険集団と業務提携したのは、コロナ以前の世界では英断だと思いましたが、現状は上手くいっていないようです。
 
ツムラはEBМ路線で大建中湯でアメリカFDAの認可をとろうとしていますが、何年も進んでいません。
 
武田漢方便秘薬、杏雨書屋で知られる武田薬品工業は、2015年にグラクソ・スミスクライン社のクリストフ・ウェバーがCEOとなりました。ウェーバー社長の年収は18億円で、開発部門の研究者たちが次々とリストラされました。中国リスクも危険ですが、欧米資本主義のグローバル化路線も日本の東洋医学や漢方にとって正解かどうかについては議論の余地があります。
 
 
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