医薬品や農薬による海洋汚染

2022年5月30日『CNN』
「米フロリダ州沖のソトイワシ 抗うつ薬や降圧薬の陽性反応」

以下、引用。

 米フロリダ国際大学が魚類保護団体と共同で行った調査で、フロリダ州の沿岸部に生息するソトイワシから抗うつ薬や降圧薬といった処方薬の成分が検出された。

ソトイワシは大西洋や太平洋に広く生息する魚で、同大と保護団体のBTTは2018年から3年がかりで同州南東部のビスケーン湾と南部のフロリダキーズ沿岸に生息するソトイワシ93匹の血液と組織を採取して調査した。

その結果、ソトイワシ1匹あたりの平均で、高血圧薬、抗うつ薬、前立腺治療薬、抗生剤、鎮痛剤など7種類の医薬品成分が検出された。全部で17種類の医薬品が組織から検出された個体も1匹いた。

この調査結果について同大の専門家は、深刻な海洋汚染問題と位置付ける。

「医薬品の脅威は藻類や海水の濁りと違って目に見えない。しかし、今回の結果は私たちの漁業に対する恐ろしい脅威を物語り、長年の排水インフラ問題に対応する差し迫った対応の必要性を浮き彫りにした」(フロリダ国際大学・ジェニファー・リヘイジ准教授)」

医薬品や農薬による海洋や河川、飲み水の汚染は深刻な状況です。
 
海外の記事を読むとき、日本と日本以外の情報ギャップに驚きますが、特に顕著なのは環境汚染と健康に関する分野で、特に2011年3月11日の東日本大震災とその後の原発事故以降は報道や学術の人たちの偏りが目立ちます。

明治維新以降、欧米列強に追いつくための近代化を押し進めてきた日本は、1945年の敗戦で「欧米に追いつくための近代化」という方針はそのままに、方法を軍事から経済へと転換しました。しかし、1990年代のバブル経済崩壊以降、日本は経済大国としての自信を失い、その反動としての極端な愛国主義が生まれます。

近代を支えてきた理念や制度が現在、崩壊しつつあります。

日本は公害問題を克服してきた経験があり、丸山博先生や中川米造先生といった東洋医学に造詣の深い先生方が、苦しんでいる人々の側に立ってオルタナティブな手段や考え方を提供するうえで大きな役割を果たしてきました。

情報が氾濫する時代においても、身体からは逃れられません。「食と健康」「環境と健康」「次世代の生命・健康を守ろうとする利他の行為」は、自分自身に基盤を与えてくれると思います。

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