海昏侯墓から出土した金製品の純度が99%


2016年3月4日『人民網』日本語版
「海昏侯墓から出土した金製品の純度が99%」


以下、引用。

文化財当局はこのほど、測定の結果、これらの金製品の純度は約99%であることが分かったことを明らかにした。北京日報が報じた。

展示されている麟趾金の重さは76.12‐83.36グラム。馬蹄金は237.66‐246.29グラム。

出土した金餅や金板も貨幣ではなく、酎金という。酎金とは前漢時代の諸侯が祭祀の際に皇帝へ差し出した献上金のことだ。海昏侯にはなぜこれほどの金製品があり、その埋蔵品は漢の武帝の孫である広陽王が葬られている北京の大葆台漢墓よりはるかに多いのだろうか。秦・漢の歴史を研究している専門家・雷虹霽氏は「諸侯王は列侯より高い身分だが、前漢の第9代皇帝・劉賀の身分や経歴は特別。史料の記載によると、劉賀は即位してすぐに廃されたものの、その後も父親の財産を継承した。同じ侯位でも、劉賀の墓は馬王堆漢墓(湖南省)より重要。劉賀は王子侯であるのに対し、馬王堆漢墓に葬られているのは功臣侯だから」と分析している。


酎金は、武帝の時代に南越を討つ際の儀式の酎金の純度を調べ、純度が足りないという理由で貴族105人が領地を没収されたという記録があります。

一つの疑問は金の純度をどのように測ったのかですが、記録がありません。おそらく黒い石英などの石に金をこすりつけて純金と比較する試金石法ではないかと考えられます。海昏侯墓の金製品の純度99%は純金になります。

歴史では、『管子』に砂金の産出が書かれ、『山海経』に45の金鉱山が書かれています。金の精製の方法は灰吹き法がありますが、証拠は唐代の遺跡です。灰吹き法は、灰の上に金と鉛を置き、高温をかけると金と鉛が溶けて混じりあいますが、しばらくすると灰の上に純金のみが残るという技術です。
 
イギリスの化学者で科学史家であるジョゼフ・ニーダムには『中国のランセット: 針灸の歴史と理論』『中国の科学と文明』などの著書があります。



ジョゼフ・ニーダムは1942年から1945年まで蒋介石の科学顧問として重慶にいました。1945年に中国の女性医学者、魯桂珍と知り合い、後に『中国のランセット: 針灸の歴史と理論』を共著で書きます。1954年から魯桂珍などと協力して、ケンブリッジ大学から『中国の科学と文明』シリーズを刊行しました。1995年まで存命でしたので、わたしが鍼灸学校に通っていた1990年代は本屋さんにニーダムの本は普通にありました。

近年、中国がジョゼフ・ニーダムのドキュメンタリー番組をつくっています。YouTubeで視聴できます。

Joseph Needham and the Science and Civilization of China EP1 The Road to China


数年前、中国の青銅器の技術を調べたところ、なんと日本の現代の冶金学の大学教授が殷代の青銅器をリバース・エンジニアリングしようとしても再現できないことを知りました。まだまだ中国の古代技術・冶金技術は謎だらけで、それでも近年、多くの遺跡が発見され、おそらくニーダムの時代より、かなり研究が進んでいると思います。

Cover image by PIX1861

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