2013年北京中医医院の論文
得気感覚の特徴と鍼の効果
Characterization of deqi sensation and acupuncture effect.
Yang XY et al.
Evid Based Complement Alternat Med. 2013;2013:319734.
doi: 10.1155/2013/319734. Epub 2013 Jun 20.
以下、引用。
【6 得気と臨床効果の関係】
中医学の理論によれば、得気感覚は臨床効果と関連すると信じられている。
鍼の手技と保持は得気感覚を強め、臨床効果を高めるかもしれない可能性はある。しかし、現在、いかなる研究もシステマティックに得気と治療効果の関係を調査していない。
ホワイトたちは、パーク質問紙において得気の強さが変形性股関節症と変形性膝関節症の痛みの緩和にいかなる影響も与えていないと論じている。また、われわれ全員が知っているように、得気が鍼に必要であると厳格に証明したランダム化臨床試験は存在していない。
中医学鍼は患者に強い得気を生じさせ、それが臨床効果に必要なサインであるとみなしているが、これは他の形式の鍼では真実ではない。他のスタイル、例えば日本伝統医学の鍼や(中国の)手根鍼・足根鍼は患者に鍼感を生じるのを避ける。これらの形式による鍼では治療効果は得気とはまったく関係しない。
北京中医医院の中国人の先生方が書かれた論文ですが、やはり臨床家の先生は「わかってる・・・」と思いました。
以下、引用。
過去数十年、研究者たちは鍼師の経験よりも患者の感覚に重点を置いてきた。これは新しい電気鍼(鍼麻酔)の人気があったことによるものだろう。(鍼麻酔による)複数の感覚は、患者によって酸・麻・脹・重と中医学の文献では表現されてきた。
【鍼師により感じられた得気の特徴】
最も有名な得気の解釈は患者の感覚に焦点をあてたものだが、中国伝統医学古典の『黄帝内経』は得気を鍼灸師の感覚として焦点をあてている。鍼の抵抗感が増すことを、鍼師は緊張した、硬い、充満した、魚が餌にくいついた感じと表現している。
電撃的な耐え難い得気ばかりではなく、「中国でも、臨床家でわかっている先生はわかっている」としみじみ思いました。
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