アメリカ国立がんセンターの鍼灸の包括的がん情報

 

2020年1月17日
メリーランド州ベセスダのアメリカ国立がん研究所の包括的がん情報(PDQ)の鍼灸版
Acupuncture (PDQ®): Health Professional Version.
PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Board.
Bethesda (MD): National Cancer Institute (US); 2002-.
2020 Jan 17.

 

日本語版のがん情報サイトPDQにこの情報は掲載されるでしょうか。

2008年の国際変形性関節症学会(OARSI)の変形性膝関節症治療ガイドラインでは、鍼治療が推奨されていました。2011年に日本整形外科学会がOARSIを翻訳した「変形性膝関節症の管理に関するOARSI勧告:エビデンスに基づくエキスパートコンセンサスガイドライン」と言う日本初の変形性膝関節症ガイドラインを発表したので楽しみに読んでみると「原文に記載のあった項目のうち、非薬物療法では鍼灸療法が我が国の実態に合わないと削除されている」と書かれていました。日本で変形性膝関節症に鍼治療はやっています。世界のEBM診療ガイドラインを読んだあとで日本の診療ガイドラインの鍼に関する部分を読むと失笑を禁じえません。

 

以下、引用。

【がん性疼痛の鍼の効果】

がん性疼痛コントロールにおいて鍼の効果は3つの研究で示されたが、その発見はサンプルサイズの小ささや患者の盲検化の欠如などの方法論的な脆弱性、標準的アウトカム測定の欠如やランダム化の欠如により鍼治療の結果は限定されている。

2015年の5件のRCTランダム化比較試験のコクラン・システマティックレビューでは、膵臓がんの痛み、後期がんによる痛み、および慢性がんに関連する神経障害性疼痛の軽減における鍼治療の効果が報告された。 この研究では卵巣がんの痛みに対する本物の電気鍼療法と偽の電気鍼療法(EA)の違いは認められなかった。

 

 

2015年コクランシステマティックレビュー「成人のがん性疼痛」
Acupuncture for cancer pain in adults.
Paley CA
Cochrane Database Syst Rev. 2015 Oct 15;(10):CD007753. doi: 10.1002/14651858.CD007753.pub3.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26468973
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6513493/

 

以下、引用。

【がん手術後の疼痛】

【アロマターゼ阻害薬関連の筋骨格系症状の鍼】

【がん化学療法関連の悪心・嘔吐】

【放射線療法による悪心・嘔吐】

【(前立腺癌のホルモン剤治療による)血管運動症状】

【がん関連疲労】

【口腔乾燥症】

【がん化学療法による末梢性神経障害(CIPN)】

【プラチナ製剤またはタキサン剤による神経障害(CIPN)】

【ボルテゾミフとサリドマイドによる神経障害(CIPN)】

 

まとまっていて勉強になりました。

 

 

 

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