新型コロナウイルス感染肺炎診療計画第4版

 

2020年1月29日香港の新聞『香港文匯報』
「中医学専門家チーム:新型コロナウイルス肺炎は『寒湿瘟疫』」
中醫專家組:新冠肺炎屬「寒濕疫」

2020年1月27日に『新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第四版)』が中国政府より出版されました。2020年1月24日に 第三版を出版してわずか‪3日後‬です。北京では漢方がかなり効果を出しているようです。

 

第4版のPDFファイルでは、弁証が変わっています。
(1)初期:寒湿鬱肺
(2)中期:疫毒閉肺
(3)重症期:内閉外脱
(4)回復期:肺脾気虚

 

以下、香港の記事より引用。

【脾胃を注意して調整しよう】
「病気の性質を知ることは非常に重要です。新型コロナウイルス感染肺炎は寒湿瘟疫です」と 仝小林は述べた。資料によれば、武漢では12月、延々と冷たい雨が降っていた。1月から16日連続で小雨が降って湿気は非常に重くなっている。

発病時の症状や状況、症状の変化などを調べ、舌苔と脈象の変化進行を詳細に観察した。ICUの危篤の病人はもちろん、普通病棟の軽症患者も舌苔は黄色かったり白かったりするが、総じて厚膩苔をあらわしており、湿濁の象が非常に重い。

専門家グループがみると、大量の患者が脾胃の症状があり、倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐、お腹の詰まりや張り、下痢や便秘が典型である。

【中医治療計画】
臨床表現では、力がでなくて胃腸が良くないなら藿香正気膠囊。力が出なくて発熱を伴うなら 金花清感顆粒、連花清瘟膠囊(顆粒)、疏風解毒膠囊(顆粒)、防風通聖丸(顆粒)を服用する。

「苦寒薬を使うのは慎重にして、患者は寒涼の性質の飲食を避け、温熱の性質があるものを飲食する。漢方以外にも、神闕(CV8)・関元(CV4)・気海(CV6)・足三里(ST36)などの穴位に灸をして温陽散寒除湿して脾胃を調え、免疫力をアップさせる」と仝小林は言う。

 

寒湿の要素を強調しています。情報を整理すると、中国の国家中医薬管理局の「新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案 (試行第3版)」では初期を湿邪鬱肺として 麻杏薏甘湯 、升降散、達原飲 を勧めています。

邵輝先生も白膩苔から寒湿としており、去湿の藿香正気散や葛根湯を予防的に勧められていました。

第4版では 藿香正気胶嚢で、これも去湿です。寒湿の要素がかなり強くなっています。

 

※1:2020年1月24日国家中医薬管理局
『新型コロナウイルス感染肺炎の診療計画(試行第3版)』が印刷され、中医学治療計画が公布された」
《新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第三版)》印发,公布中医治疗方案
http://www.xinhuanet.com/health/2020-01/24/c_1125499177.htm

 

以下、引用。

『計画』は新型コロナウイルス感染肺炎を湿邪鬱肺、邪熱壅肺、邪毒閉肺、内閉外脱の4種類の中医弁証タイプに分類している。

湿邪鬱肺の臨床表現は熱は低いか発熱しておらず、乾咳、少痰、咽乾咽痛、倦怠無力、胸悶、胃の痞え、嘔悪、便糖。淡白舌、あるいは淡紅舌、苔は白苔あるいは白膩苔、脈は濡脈。治法は化湿解毒、宣肺透邪。推奨処方は麻杏薏甘湯、升降散、達原飲。

邪熱壅肺は発熱、口渇するが、飲もうとせず、胸悶、咽乾少痰、食欲不振、大便はゆるい。舌尖紅、黄苔、脈浮数。治法は清熱解毒、宣肺透邪。推奨処方は麻杏甘石湯、銀翹散。

邪毒閉肺は高熱が下がらず、咳嗽は痰が少なく、あるいは黄色の痰がある、胸悶して呼吸促迫し、腹脹して便秘がある。紅舌、黄膩苔あるいは黄で乾燥し、脈は滑数。治法は宣肺解毒、通腑瀉熱であり、推奨処方は宣白承気湯、黄連解毒湯、解毒活血湯。

内閉外脱は精神昏迷、煩躁、胸腹灼熱、手足逆冷、呼吸促迫、あるいは呼吸器補助を必要とする。舌質は紫絳、黄苔あるいは燥苔、脈は浮大にして無根。治法は開閉固脱、解毒救逆で推奨処方は四逆加人参湯、安宮牛黄丸、紫雪丹。

 

 

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